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考える言葉

 

麻(ヘンプ)

 
2004年03月29日(月)

 ある友人の誘いで、出島の多目的ホールでの、ある講演会へ参加した。思いがけず(?)、いい話だったので紹介したい。
 地球にやさしい天然資源としてのヘンプ(麻)の活用研究を通して、自然環境との共生ができる未来を創っていこうと、「地球維新」活動をされている中山康直さん(縄文エネルギー研究所・所長)の話である。
 麻(ヘンプ)といえば、夏の着物の素材、マリファナの原料ほどの認識しかなかったが、この植物が紙、繊維、建材、プラスチィク、燃料などの「21世紀型エコ素材」として、あるいは健康食品としても注目され、見直されつつあるそうだ。
 それだけではない。麻(大麻)は、元来、日本文化と大変なじみの深い植物だそうで、大麻を広辞苑で引くと、「①伊勢神宮および諸社から授与する神符、②幣(ぬさ)、③御祓箱」とある。
 大麻は、古来、日本の古神道文化において、「依り代(よりしろ)」といわれ、神々が寄ってくるところとしての波動調整としての意味があるそうだ。
 中山さんは、中学生の頃、池で泳いでいたときに溺れて臨死体験をしたそうで、そのときに見た光景の記憶が、その後の麻(ヘンプ)との出逢いを運命的なものにしたようだ。そのような神秘体験との“出逢い”から、死とは?人間とは?生命とは?宇宙とは?そして自分とはなにか?という、まさに自分にとって根本的な疑問に真剣に向き合うようになったようだ。
 最近、本なんかでも臨死体験の話を知ることができるが、その後において、その現象がその人にいかなる人生の示唆を与え得るのか、経験したことがない私には語りきれないが、それとの“出逢い”は確実に意識の中にインパクトのあるものとして残り、それに関連した思考がはじまることは想像に難くない。
 私自身も、彼との“出逢い”によって、現にそのことについて考え、ほとんど関心がなかった麻(ヘンプ)について考え始めているではないか。
 ヘンプ(大麻)は、太陽の光を効率的に受けとめることができるために、生命力に溢れた植物だそうで、循環機能に優れており、生態系ネットワークに欠かせない存在であるそうだ。
 人間のエゴから封印(大麻取締法による栽培制限)されているヘンプ(大麻)を自然の生態系のなかに戻すこと、それが地球の未来を救うことになる。
 中山さんは、そう確信し、麻エネルギーによる循環型調和社会の実現を“使命”として生きている。「麻ことの話(中山康直・著)」(評言社)をお読みください。