1998年09月07日(月)
行蔵は我に存す、
毀誉は他人の主張、
我に与らず、我に関せずと存じ候。
(海舟語録)
福沢諭吉(1834~1901)が、徳川幕府と明治政府の両方に仕えた勝海舟(1823~1899) を「変節者」と攻撃した。
最初は完全に無視していた海舟が、諭吉から反論を催促されるに及んで筆を執ったときの一節である。
坂本龍馬、西郷隆盛、徳川慶喜らに影響を与え、江戸無血開城をやってのけ、天下の難局を乗り切った海舟の自信のほどがうかがえる。
行蔵、すなわち人間の運命、出処進退は己自身しか決せられず、他人がなんと批評しようが、自分とは関わりがないことだと言い切ったのである。
その人が何を考えて何を成したか、人の生き方は、良くも悪くも、最後にはすべて自身に跳ね返る。
海舟語録には歴史を動かした人間の真実がある。
(1)一つの事に徹する凄さ
(2)小私を捨てる視野の広さ
(3)好機を逃さない行動力
(4)わが人生に悔いを残すな