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考える言葉

 

フォーカス(集中)

 
1999年07月19日(月)

 フォーカスといっても覗き見趣味で有名な雑誌「フォーカス」のことではない。企業の差別化戦略が今、注目を浴びている。フォーカスとは、この差別化戦略の思考と行動の根幹を為す考え方であると、私は考えている。フォーカスと言えば、小学校の時に行なった実験を思い出してみよう。

 鉛筆で黒く塗りつぶした紙の部分に、レンズで太陽の光を一点に集中させる、すると紙が燃え出したあの実験を…・・。ここでいうフォーカスとは“一点に集中させること”、つまり一点集中主義と考えても良いのではないか。

 経済環境が大きく変わろうとしている今日、さらに競争は激化していくだろうと考えられる。横並びの「どんぐり」では生き残ることは到底出来ない話である。他と比べてどこが違うのか、自分の強みはどこにあるのか、自己の存在の意味と価値をどう説明するのかが問われる時代である。乱世は優勝劣敗の原理が強く働く時代である。勝ち組と負け組がはっきりしてくるであろう。

 大切な経営資源を分散させておく余裕がどこにあるのだろうか!行なっている全ての事業において、今一度、根本から見直してみる必要があるのではないか。今は負ける戦いは、絶対に避けなければならない時代である。

 自己の強みを徹底究明し、そこに経営資源を集中して“オンリーワン”企業に生まれ変わっていく戦略が必要とされている。これが“差別化戦略”である。そして、それはまさに“フォーカス(集中)”に他ならないのである。フォーカスするにあたって大切なことが三つある。

1)活動領域(ドメイン)見定めること。
2)自分自身を正しく知ること(強み・弱み)
3)常に前向きに挑戦すること


 これからは、事業に対する確固たる“見識”と“計数的裏付け”もって経営をしないと危うい時代である。トップあるいは幹部は“経営計画の重要性”を改めて認識して頂きたいと願う!