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考える言葉

 

笑顔で返す、さわやかさ

 
1999年10月18日(月)

東京発ANA便機内での光景が何故か目に止まった。
 
 私の席から数メートル先の通路で乗務員二人が真顔で立ち話をしている。会話が聞こえる距離ではなかったが、恐らく普段からよくしている業務連絡の類だと思うのだが…。そんなありきたりの光景が何故目に止まったかと言うと、はっきりしないのだが、いつも私たち乗客に向けられている笑顔でなく、真剣な表情のやりとりをしていたからだと思う。
 
 私の興味は彼女らの話の内容でも、話している間の態度でもなくて、真顔で話している今の表情が話し終わった後にどんな表情に変わるのだろうかの一点にあった。お互いの業務連絡を終えた後、視線を交えたまま「よく解りました」と納得の表情をし合った。そして、どちらかともなく、私たち乗客に向けるのと全く同じ笑顔を交し合い軽く会釈をしてそれぞれの業務に戻ったのである。何かとても洗練された職場の光景を目の当たりにしたような気がして嬉しさがこみ上がってきた。
 
 私はその後機中で、ずっと自分の職場の情景を思い浮かべていた。人に感動を与えるようなサービス(仕事)は良好な人間関係の中から生まれてくることが多い。職場における人間関係は、生産性あるいは品質の向上に大きな影響を与えると言われている。機内における乗務員のちょっとした光景であったが、日常的な職場における良好な人間関係を演出するために、大切な三つのことを教えてくれている。
 
1)お互いに相手の話に耳を傾け合う態度(素直さ)
2)お互いに納得するまで確認し合う態度(誠実さ)
3)お互いに笑顔を返し、励まし合うこと(友好さ)
 
 職場の環境は一人ひとりのチョットした心遣いで雰囲気が変わってくるものだ。お互いに良好な人間関係が育まれる風土を作れるように心掛けたいと思う。
 
 職場は自己を成長させる“心の道場”でもある。