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考える言葉

 

ブレイクスルー(現状打破)

 
2000年02月28日(月)

 バブル崩壊後の日本経済は、“失われた10年”と揶揄されるように、問題の先送りばかりをくり返し、未だ未来への展望を描き切れないでいる。情況判断はできても決断できない。何故ならば、決断するには責任をとる覚悟が必要だからである。無責任なエリート層を生み出した知識教育の弊害の露呈だとも言える。

 しかし、いつまでも既得権にぶら下がり、もたれ合うような無責任さを許しておくほど世間は甘くない。そんな風潮が生まれつつあることは良いことである。今起きているあらゆる状況の変化は、とても予測できるものではないという認識を改めて肝に銘じておかないと、舵取りを誤ってしまうであろう。

 発想の転換が必要である。小手先のテクニックではなく、抜本改革こそ急務。今、“長い目で、多面的に、根本的に”物事を考える戦略思考が、企業に求められている。

 「売上を増やそうとすると、利益率の低下あるいは在庫増になる」といった二律背反性の問題を解決するのに、二者選択的な思考ではなく、どちらも成り立つようにするにはどうしたら良いのかと考えないと、生き延びることが出来ない時代である。つまり、現状を“改善”するのではなく、現状を打破し“改革”するという考え方しなければならない。いわゆる、“ブレイクスルー思考”が要求される。

 ブレイクスルーとは、今まで演じていたステージを壊して、全く新しい次元のステージを創り出すことであろう。そして、その思考の大前提は“成長願望”を持てているかどうかだと、私は考える。成長とは“自分の進路に立ちはだかる壁(問題)を打ち破ること”そして、壁とは“目的を実現するために自ら掲げた目標”だと考えてみよう。このように考えてみると、閉塞的な現状をブレイクするために、何を為すべきかが見えてくる。

 「あなたは目的を見失っていませんか?」目的を見失ったまま、特定することもなく、ただ悪戯に悩んだり、焦ったりしていないだろうか。「企業は何のために存在しているのか、何のために仕事をしているのか?」今一度自らにしっかりと問い直して見ることから始めることである。

 「窮すれば変ず、変ずれば通ず」という言葉がある。今は、とに角“ブレイクスルー”するチャンスなのである。