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考える言葉

 

個性

 
2000年05月08日(月)

 水泳自由型のヒロイン・千葉すずが五輪選考から外れ、話題になっている。
 過去2回のオリンピック(バルセロナ、アトランタ)おいて、いずれも期待外れの成績に終わり、マスコミに煽られてか「メダルなんかいらん」と発言、大人たちの常識を逆なでにした記憶がある。

 昨年、日本新を連発して復活を果たし、五輪への名乗をあげたが無念の選考漏れとなる。「個々の選手の選考内容についてはコメントしない」と言うことだから、真相は定かではないが、メダルを一つでも多く獲得するためには“チームが一丸となったムードこそ大事”ということで、個性派の彼女が嫌われたのではないかと思う。

 個性とは“自己主張の強さ”だと言えよう。当然ながら、周囲の反発も強くなる。並外れた実力があれば別だが、ひきずりおろされることは覚悟しておかねばならないだろう。

 21世紀は「個が強くなる時代である」とよく言われている。確かに、新しい時代のパラダイムに適応していくには、はびこっている常識を打ち破っていく“強烈な個性”が必要だろう。横並び意識の人間に時代を変革していくエネルギーがあるとは思えない。

 しかし、ここに一つ問題が生じる。強烈な個性とは、自己主張の強さでもある訳だから、必ず他との対立関係を作り出すというジレンマに陥ることである。
 自己あるいは自我を確立させようとすると、人間は知らずのうちにプライドや傲慢さや独善といった自己執着(我執)に取りつかれてしまうのである。

 人生において“自己の探求”は大切なことである。永遠のテーマともいえよう。そして、これは“我執”との戦いなのだと考える。
 そのためにも、私は常に学ぶ姿勢を持ちつづけようと決意している。

  (1)  他人は自己の鏡であること
  (2)  素直さを忘れないこと
  (3)  謙虚さを失わないこと
  (4)  恩に報いること
  (5)  常に自己革新を怠らないこと

 「私は何ものであるか?」「私は誰であるか?」という問いに、どれだけの人が明確に応え切れるであろうか。

 多くの人が自己主張をしているにも関わらず、である。もっと自分自身をしっかりと見つめて、生きていくことから始めたいと思う。