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考える言葉

 

ライフ・スタイル

 
2000年05月15日(月)

 日本の未来を考える時に、“少子老齢化”は極めて重要な社会問題であり、決して無視できる問題ではない。

 国際的な人口問題の定義では、総人口に占める高齢者の割合が7%を超えた社会を高齢化社会といい、14%を超えると“高齢社会”と呼ぶらしい。
 
 定義上で論じるならば、日本は70年に高齢化社会へ突入し、94年にはすでに“高齢社会”を迎えている。さらに高齢化は進み、2006年には20%を超えて“超高齢社会”になることが予測されている。

 成熟社会の象徴である消費税のウェートはさらに高まっていくだろうし、今年4月には介護保険制度が導入された。そして、401K(確定拠出型年金)が始まる。
 
 来るべき超高齢社会に備え、国民一人ひとりの“自立を促す対策”が徐々に確立されつつある。
少子高齢化問題の本質は、経済的に言うと医療・福祉などに象徴される超コスト社会であり、然もその財源確保の困難さにある。
 
 その意味において、国民の負担増や自立自助を促す政策はやむを得ない話であるし、頭では理解できる。しかし、将来に対するやり切れない不安が募るのは何故だろうか。日本という国のあるべき姿、ヴィジョンが描けない。自立した社会とはどんな社会をいうのか。時代に合った生き方とは何か。豊かさとは何をいうのか。
 
国民一人ひとりが自分の頭でよく考えて、行動できるように、国はもっと広報に力を入れるべきであるし、あらゆる方法を用いて考える機会を創出すべきであろう。
 
 ハワイ島で老後の生活を楽しんでいる老人の話を聞いた。土地は坪2~5万で300~500坪の敷地、気候は良いし、物価は安い。今の住居を処分して購入すると何千万か残り、その後の生活費も夫婦で月12万もあればできるという。
 
 自立を前提とした老後の共同体・シルバーの里を日本の各地につくり、それぞれをネットワーク化しようという構想だってある。
要は、一人ひとりが自己のライフ・スタイルを描き切れるかである。そのためには有意義な情報をいかに手に入れるかである。

 自立社会をエンジョイするには、尻込みをしていたら駄目。老後をエンジョイするためにはどうしたら良いか、自らがワクワクするようなエンジョイ・ライフを企画してみることである。
歳をとってからでは遅い。今から考えると、それがビジネス・チャンスになるかもしれない。

何故ならば、超高齢社会は誰にも共通の課題なのである。