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考える言葉

 

リスク

 
2001年02月13日(火)

 ほんの一昔前まで、リスクの小さい企業は良い会社であるという評価を受けていたが、今は違う。

「リスクは、会社にとってチャンスである。リスクのない会社は成長できない」、今やこのような考え方が企業経営の常識となっている。
  時代環境の変化は、私たちの想像をはるかに超えたスピードと規模で起きている。もはや、過去の延長線上に未来を描くことが困難な時代である。

  先駆的な企業は、過去の成功体験をはやく捨て去り、不確実な未来へ一番乗りするための大変革(イノベーション)のリスクを冒す戦いをしている。
  気づき始めたのかも知れない。時代の変化に適応できない、つまり、自己変革できない自らの組織が、自己を滅ぼす組織の敵であることを…・・。

  恐ろしいのは、ぬるま湯に浸かりすぎている企業である。このままでは、どうしようもないことに薄々は気づいていながら、一方では何とかなるのではと考えている。危機意識の欠如からだろう、自己変革のリスクをつくりきれない。
 "ぬるま湯のカエル"から脱皮するにはどうすればよいのか。

組織変革は、トップの強力なリーダーシップ無くしては、一歩も前には進まないと私は考えている。
要するに、先ずは"トップ自らが変わる"こと。トップが率先して、自らの古い価値観を捨て、生まれ変わることができるかどうか。この自己変革のリスクを背負う覚悟ができるかどうかであろう。

 (1)  あらゆる現状の認識に甘さがないか

 (2)  過去を絶ち切る覚悟ができているか

 (3)  説得力のある未来を描き切れているか

 (4)  あらゆるリスク計算はできているか

 (5)  成し遂げる信念を持ち得ているか

 恐らく21世紀は、「変化を常態とした状況」がずっと続くのであろう。
  変化は必ずリスクを伴う。そして、そのリスクを受け入れ、乗り越えた組織のみが成長を約束されるのである。

  まさに、その意味において、「リスクはチャンスである。そして、敢えてリスクをつくる」、そんな企業が21世紀を支えていくのだろう。