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考える言葉

 

イノベーション

 
2021年12月06日(月)

 過去にも何度か取り上げたテーマであるが、改めて“イノベーション”について考えてみたい。
 経営者にとって、「今すぐに、なすべき課題は何か?」。
 そう問われたら、何人の経営者が答えることができるだろうか?仮に、答えられたとして、具体的にどう行動に移せばよいか?(そんな話も耳にする)
 私だったら、「“イノベーション”!」と答えるだろう。
 P・F・ドラッカーは、“イノベーション”について、次のように述べている。
 「“イノベーション”とは、よい変化を起こすことである。そして、それは企業の使命でもある」と。
 したがって、新しい技術や商品だけが“イノベーション”ではない。つまり、人・モノ・カネ、時間などの経営資源の使い方を変え、社会において、富を創出する能力を増大させるのが“イノベーション”である。(藤屋伸二 著)
 ドラッカーは、イノベーションの7つの機会として次のように述べている。
 ①予期しない成功や失敗から学ぶ
 ②あるべき姿と現状とのギャップを探す
 ③プロセス・ニーズを解消する
 ④産業構造の変化を知る
 ⑤人口構造の変化に着目する
 ⑥認識の変化を捉える
 ⑦新しい知識を活用する
 特に、①~③の機会については、自分の思い込み(常識、傲慢、独断など)に対して謙虚になって反省してみると、日常業務の中にいくつでもその機会を見出すことができるのではないだろうか。
 ドラッカーは、マネジメントの目的は「顧客の創造」にあると説き、その目的を達成するために必要な基本的な機能として、マーケティングと“イノベーション”の二つを掲げている。マーケティングとは、顧客の顕在ニーズをしっかり把握することによって、売り込まなくても、「売れる仕組み」を作ることである。一方、“イノベーション”は潜在ニーズの掘り起こしによって、未来の市場(顧客)を創造していくところに、その役割があると言えよう。
 マーケティングと“イノベーション”は、企業の目的である顧客の創造を実現するために必要な大切な機能であり、車の両輪のようなものである。

 
                   ”考える言葉”シリーズ(21‐47