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考える言葉

 

変化との戦い

 
2001年12月17日(月)

 以前読んだ本に、「マネジメントとは、環境の変化にいかに適応するかである」と書かれていたのを記憶している。そして、マンモスが何故滅びたかの例を挙げて、その必要性が説かれていた。
 しかし、最近の経営本を読むと、変化に対してもっと刺激的である。「みずから変化をつくりだせ!」、「変化を起こす立場になれ」、「業界の境界線を引き直せ」、「未来を先取りせよ」、「変化こそチャンス」、「変化を好む乱世のリーダーシップ」、「過去を忘れろ(捨てろ)」、「日々是革新」、「危機をチャンスに変身せよ」等など・・・。
以前と今とでは、変化の本質がまるで違うことを示唆している。どこが違うのだろうか?一言でいうと、治世(秩序が安定している時代)から乱世(秩序が崩壊していく時代)へ時代が移行したということである。
 今、企業は激しい変化にさらされているが、「変化が当たり前で、安定が異常である」と思える価値観を持たなければ、戦いのステージから降りることを余儀なくされるであろう。(経営人間学講座)
 もはや、漸進的な“改善”をやり続けるだけでは変化へ適応できたことにはならないし、企業の存続が約束されたことにはならない。むしろ、先細りは必至なのだ。
 まさに、痛みを伴う“抜本改革”が、私たちに求められているのである。
“抜本改革”とは、改新であり、脱皮であり、再生である。そして、業界を再編する大きな流れを創るぐらいの志の大きさが必要となろう。でないと、変化の中心にはなり得ないし、未来を先取りしたことにはならない。
 今、私たちに求められている“変化との戦い”とは、創造的な自己破壊を伴う“自己革新”であり、妥協が許されない戦いである。
 それ故に、漸進的な“改善”に効果的であったマネジメント(管理)手法は、もはや通用しないであろう。大切なのは、トップの強烈なリーダーシップである。
 事業の目的を明らかにし、進路の方向性を見定め、組織を束ね自らが先頭に立って行動するリーダーが求められている。
 乱世の時代の敵は、同業他社ではない。“変化との戦い”に挑もうとせず、問題を先送りしている「己自身」であることをはやく認識すべきである。
 乱世における“変化との戦い”とは、まさに“自分との戦い”である。