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考える言葉

 

なぜ、経営計画か!

 
2002年04月29日(月)

 ここ数年であるが、経営者から「自社の経営計画を作成したい」という要望が急増している。
経営計画の必要性を以前から説いてきた私にとって、大変喜ばしいことである。しかしながら、まだ関心度の低い経営者が多いことも事実である。その原因の一つには、その成果が読めないことにありそうだ。
「絵に描いた餅は食えない」、「計画を立てても、その通りにならない」、「先のことなんか、よう分からん」などが、経営計画に消極的な経営者の意見である。
だからと言って、経営計画を作らなくてよい理由には決してならない。何故ならば、絵に描かないと食べたい餅のイメージも湧かないだろうし、計画があるからこそ予定通り行っていないことが明確につかめるし、その原因だって分かってくるのである。しかも、経営計画を作成する最大の目的は、「自社の未来を描き、何を為すべきかを明確にすること」にある。
然しながら、確かに失敗談も多い。その理由は、はっきりしている。
①計画作成を他人任せにしている(目的の欠如)
②数字の遊びになって、魂が入っていない(熱意の欠如)
③現場に落とし込めない(行動の欠如)
以上のような理由から、行動・実践に至らないから当然ながら結果がうまれない。故に継続の意欲を失ってしまい、惰性に流されてしまうのである。
成功の秘訣は、一つしかない。それは、作成のプロセスでどれだけ「深く考え尽くせたか」どうかである。私は、経営計画の意義は“考えること”にあると思っている。
経営とは、成長の阻害要因となっている問題を発見し、それを解決する戦いであると考える。そして、問題を解決するためには何を為すべきか、その仮説をしっかり考えるのが経営計画なのである。
考えた仮説を実行に移し、上手くいったかどうか検証をする。仮に上手くいかなかったら、仮説を立て直し、再度チャレンジする。これを繰り返すことによって、自社の必勝パターンを創り上げていく。
今の世の中、経営者だったら誰でも、出たとこ勝負で勝てるほど甘くはないことは百も承知だと思う。
あんしん経営を望むならば、“先見経営・先行管理”の仕組みを作るしか方法はないのである。そのための唯一の手段が、自分の頭でしっかりと考えた経営計画を作成することであるといえよう。