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考える言葉

 

チームワーク

 
2002年06月17日(月)

 日本の決勝トーナメント初進出もあって、いよいよ盛り上がっているサッカーW杯。「1次リーグを何とか通過して欲しい」の願いは、いまや「ひょっとしたら、ベスト4までは行けるのではないか」とボルテージは上がりっ放し。
 「他の強豪と日本はどこが違うの?やっぱり、スピード?」、「それもあるけど、チームワークでしょう。それとサポーターの数が全然違うからね・・・・・」。
タクシーの運転手の講釈に妙に納得しながら、およそチームワークと縁がなさそうな職業柄と感じていたが、「タクシーの仕事は、チームワーク関係ないの?」と聞いてみたら、「関係ないね」とつれない返事。タクシー業界のグループ化は、以前から結構進んでいるのだが、現場において意識の変化は感じられないらしい。
スポーツ観戦は、サッカーに限らないが、いろいろと経営のヒントを授かることが多い。
個々人の瞬時の状況判断とスピーディな対応、しかも“全体の流れ”が一人ひとりの頭の中でイメージされているので、ボールが見事に次の“役割分担”へとつながっていく。そして、チームメンバーがお互いの持ち味をよく分かっていて、ボールを持っているメンバーの“先の行動”を読んで動いているのである。
しかも、サポーターの声援を聞き取り、「ヨッシャ!」とセルフ・モチベーションをかけているのである。
サッカーを観ていると、試合の流れが実にシステマチックに動いて、展開されていることがわかる。そういった中で、相手のちょっとしたチームワークの乱れをついて得点を奪う。なかなか、油断が大敵な過酷なスポーツである。
そして、忘れてはならないのが監督とリーダーの存在である。監督は、どのようなチームを作り、どのような戦い方をすればよいのか、そしてどのような選手を育て、チームの一員としての役割を担わせるか、戦略的なすべての責任を負う。
実践(試合)におけるリーダーの存在も大きい。恐らく、リーダーの存在が試合時における選手一人ひとりのモチベーションに大きな影響を与えているのではないかと考える。
そして、勝つことによって、チームの団結はいっそう強まり、各選手のモチベーションはいっそうの高まりを見せる。それに、サポーターの声援が後押しをしてくれる。
経営における“組織と個人”のあり方、そして顧客の声。サッカーの戦い方は、これからの経営の一つのモデルを提供してくれているような気がしてならない。
これからの時代において、洗練されたチームワークは、勝つための経営の強力な武器となるであろう。