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考える言葉

 

ベンチャー&エンゼル

 
2002年07月07日(日)

 時代の動向であろう、会計業界のネットワーク化が様々な形で進んでいる。
NN構想の会(http://www.nnk.gr.jp参照)の事務局をしている関係で、いろいろな情報が入ってくる。もちろん、お誘いも多い。
 実は、昨日も六甲山麓にある研修センターで開催されたフォーラムへ一泊二日で参加してきた。エンゼル証券会長・公認会計士の細川信義氏主宰の「プロベンチャー創成・新規公開支援フォーラム」で、ベンチャー育成に関心が深い会計人ら40数名が集まった。
 過密なスケジュールには少し戸惑ったが、案内文にベンチャー企業育成のスキルの一連を凝縮したジュースで飲んでいただくとあったが、なるほど「凝縮したジュースを飲む」とは、こういう意味かと後で納得した。(大変、勉強になった)
 事例発表でもあったように、ベンチャー企業がビジネスとして成功するか否かの判断基準は、将来性(成長性)の見極めにあるが、それは①新規性(どこが新しいのか)②収益性(高い付加価値性があるか)③市場性(市場に受け入れられるものか)である。
 しかし、失敗事例によると、成長過程のおけるエンゼルの資金援助が得られたあとの派手なお金の使い方や仲間割れなどで自滅することも多いようだ。つまり、アイデアや奇抜性に富んでいても、そして資金不足が解消されたとしても、経営者としての理念や哲学がしっかりしていないと、価値観の拙さ(自己本位な考え方)を露呈してしまう。
 日本経済の救世主となるベンチャー企業を発掘し、育成することは急務であるが、大多数のベンチャー企業にとって、生き残ることは極めて困難だといわれている。その理由に、しばしば資金不足がいわれるが、過分な資金を過度に早い時期に得ることによって、慢心による自滅の例も多い。
 ベンチャー企業に暖かい資金を提供してくれるエンゼルの台頭も大切であるが、先ずは起業家自身が、経営者としての価値観を高め、事業を成功させるために必要な「目的と計算」の両立ができるようになる必要がある。
 でなければ、ベンチャーもエンゼルもマネーゲームに走る愚を犯すことになるであろう。もう、バブルは懲り懲りである。
 細川先生が主宰されるベンチャー企業育成のための全国ネットワーク「エンゼル情報センター」は、先生のお人柄を慮るに、真のベンチャー企業を創成するプロ集団になるのではないかと期待される。