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考える言葉

 

タフ(tough)

 
2003年12月22日(月)

 最近、ご無沙汰のゴルフだが、気が抜けない、ゴルファー泣かせのコースを“タフなコース”と表現するが、そんなコースでプレーする時、気後れしていると、およそ散々なスコアになる。
 タフなコースに出逢うと、気分が乗っているときは、チャレンジ性を強く感じるし、気乗りしていないときには、気が引けていることが多い。だから、戦う前から、すでに勝敗の行方はきまっているのである。
 今、中小企業の経営者にとって、経営環境は極めてきつく、乗り越えることは決して容易な状況ではない。つまり、“タフな時代”である。モノが売れない、利益が出ない、金が廻らない、そんな状況であるから百も承知だと思うが・・・・・。
 「タフな時代である」という、その時代認識はいいとして、そんな時代で舵取りをしなければならない経営者として、その心構えは本当にできているのであろうか。ゴルフだったら、しょせん遊び。気乗りがしなければ、やらなければ済むことである。しかし、経営はそういうわけにはいかない、覚悟を決めてやるしかないのである。
 先ずは、気持ちで負けていては絶対だめだ。何故かと言うと、環境のせいにして愚痴でも出だすと、人間は、もう自分を見失い、他人の思惑にも鈍感になり、現実から逃げてしまうことになろう。
 “タフな時代”に生きるためには、自分が“タフ”でなければならない。昔、流行った言葉に“タフガイ(tough-guy)”というのがあったが、ロッキーのような、打たれ強さや裕次郎のような格好よさ、いずれも肉感的なタフさがあったような気がするが、ここでいうタフさとは、質が違う。
 今求められている“タフさ”とは、「いかに生きるか」を、しっかりと考え抜くこと、つまり、思考することへの“タフさ”ではないだろうか。
 人のせいにしないで、自分の醜さ(自分本位な心)としっかりと向き合い、何をどのように自己革新すべきなのか、根本的なところから、考えることをやらないと何も変わらないのである。
 リストラなどでコスト削減なども必要だとは思うが、そんなことで真の元気が生まれるとは思わない。今こそ、事業の原点に立ち返り、自己の存在価値そのものを真剣に問い直す必要がある。
 為すべきことが明確になれば、その道が厳しくて、不安があったとしても、少なくとも今為すべきことに、“迷い”はなくなるはずである。
 私たちは今、考え抜く“タフさ”を持たなければならないと考える。