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考える言葉

 

組織風土

 
2004年01月12日(月)

 新春恒例となった今年度の行動計画の発表合宿を終え、今年もいよいよスタートである。年度が改まるということは、新たな気分になれるという心的な効果がある。少なくとも、そういう期待を誰もが抱いているはずである。
 その合宿で開口一番に、次のような質問をしてみた。
 「去年までの自分と、今ここにいる自分とは違う。そういう変化を実感できている人は挙手してください」 もちろん、予想通り、全員が挙手である。
 そこで、次のような質問を投げかけてみた。
 「じゃ、事務所はどうですか?変化を感じることができますか?」 パラパラと数人の手が挙がっただけである。
 なぜ、組織の全員、一人ひとりが実感している意識の変化は、事務所全体の変化として認識されないのであろう。
 自分の変化は実感できても、他人や事務所全体の変化にまでは、気がまわらなかったということか。では、自分の変化は、何を根拠にそのように思っているのだろうか。恐らく、今年新たに掲げた目標に対して「よし、やるぞ!」と気合を入れている自分を見ているのであろう。
 自分がそうであるように、他人もそうだと思えないのだろうか。そして、当然のことであるが、事務所にも組織全体としてチャレンジすべき新たな目標がある。ということは、それ自体において変化があってしかるべきである。
 ましてや、全体(組織)と部分(個々人)は相互に密接な関係の中で影響しあいながら変化し、形づけられているのである。その辺の事情を認識できないで、自己意識の変化を捉えてもナンセンスである。
 自己意識の変化は、必ず他人の変化として顕われるであろうし、自己も含めた組織全体の変化として認識されなければならないと考える。でないと、今感じている変化の持続性は保証されないであろう。
 人間の心が、その帰属する組織の風土や文化あるいは価値観をつくっていく。しかし、いったん出来上がった組織風土などは、それ自体で大きな力を持ち、人間の心に大きな影響を及ぼしていくのである。つまり、一人歩きをはじめる。
 それ故に、私たちはつねに組織風土の健全性をあらゆる角度からチェックし、組織の乱れなきように心がけておく必要があると考える。
 今年度の基本方針は、「“実行力”を組織文化にしよう」である。その内容について、次回は考えてみたい。