本文へ移動

考える言葉

 

量と質

 
2004年08月23日(月)

 「量から質の時代である」、そう叫ばれて久しい。
 ブランドに群がる一方で、ユニクロやヒャッキンなどが流行り、「どうなっているのか?」といぶかる人もいるが、安いから粗悪とは限らない。それに、情報化社会という大きな時代の流れから観ても、や はり、戦略的には、“質の追求”に軸足を置いて考えたほうが、賢明ではないだろうか。
 マンネリ的な仕事をしたくない私にとっては、“仕事の質化”は永遠の課題であると考えている。そのためには、“量と質”の違いを明確にしておく必要があると思うが、次のように考えている。
 基本的には、“量の仕事”とは“パターン化”された仕事で、“質の仕事”とは“非パターン化”つまり、パターン化できない仕事のことではないかと考える。
 パターン化された量の仕事においては、つねに手段と方法が問題となり、知識・技術や経験、時間との戦いであり、効率化がつねに求められる。
 一方、“質の仕事”においては、つねに“目的”を問うことから始まる。そこで必要とされるのは、価値判断、つまり“価値観”が問われることとなる。さらに、費やす時間の問題ではなく、いかに“心を込めて”仕事をすることができるかどうかである。
 つまらなさそうに、辛そうに、嫌々ながら仕事をしている人を見かけるが、そんな人に“質の高い仕事”を望むことは、到底できない話である。質の高い仕事をしたいと望むならば、先ずは、仕事を好きにならなければならない。
 仕事が好きになれば、“心を込めて”仕事をするようになる。そうすると、その仕事の本質が良く見えてくる。さらに、その仕事の目的や価値が明確になり、あなたにとっての仕事という概念そのものが根本から変わるであろう。
 パターン化した仕事のスタイルでは、変化しやすい多様化したニーズには応えることはできない。顧客の意識の中に入り込んでいけるかどうか。外から眺めているだけでは、真のニーズを捉えることはできないだろう。
 “心を込めて”仕事をしていない人は、リスクを背負って顧客の意識の中に入り込もうなんて考えもしないだろうし、またそうしようと思ったとしても、門前払いを食らってしまうだろう。今や、ビジネスは顧客との共創の時代だといわれている。顧客との距離を縮めることできなくて、質のいい仕事がもらえるであろうか。
 自分のやっている仕事に日々“心を込めて”いるだろうか?もし、そうでないとしたら、あなたの仕事は“質の追求”を怠っていると思ったほうがよい。そんな人に日が当るような時代は、もう来ない。