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考える言葉

 

フロー概念

 
2022年07月11日(月)

 “フロー”といっても、経済学や会計学でいうところの「フロー(一定期間の増減額)」や「ストック(一定時点の残高)」の関係における“フロー”ではない。
 ハンガリー出身で、アメリカの心理学者であるミハイ・チクセントミハイ(1934~2021年)が提唱した“フロー概念”について考えてみたい。
 次の問いへの追求から、氏の研究はスタートする。
 「人が、その持てる力を最大限に発揮して、充実感を覚えるときというのは、どのような状況なのだろうか?」
 この問いに答えるために、チクセントミハイがとった方法は、様々なジャンルにおいて、仕事を愛し、活躍している人たちにひたすらインタビューをしていったという。そのとき、氏はあることに気づく。
 それは、かれらが、最高潮に仕事に「ノッテいる」ときに、その状態を表現する手段として、しばしば“フロー”という言葉を用いていたという。
 ここでいう“フロー”とは、「最高に集中していてなおかつリラックスしている状態。没頭」をいう。
 チクセントミハイは、“フロー状態”に入ると、次のような状況が発生するという。
 ① 過程のすべての段階に明確な目的・目標がある
 ② 行動に対する即座のフィードバックがある
 ③ 挑戦と能力が釣り合っている
 ④ 今やっていることに集中する(行為と意識の融合)
 ⑤ 気を散らすものが意識から締め出される
 ⑥ 失敗の不安がない
 ⑦ 自意識が消失する
 ⑧ 時間間隔が歪む
 ⑨ 活動が自己目的的になる(手段と目的の一体化)
 ここまで、チクセントミハイのいう“フロー概念”について検討してきたが、ひとつ気づいたことがある。
 IG会計グループが提唱している未来会計サービスは、循環モデルを徹底することによって生じるフローをつくり出す。まさに“フロー概念”ではないだろうか。
 リーダーはメンバーに対し「目標を明確にし」「適切なフィードバックを行い」「スキルを適合させる」仕組みをつくることの提案。まさに、フロー概念である。
 一人ひとりの自覚のもと、職場全体を“フロー状態”にしたいと思う。

 
                   ”考える言葉”シリーズ(22‐27)