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考える言葉

 

5つの質問

 
2024年01月29日(月)

『IG後継者育成塾』の第8期(2年間)がスタートした。
 一期を終了するのに2年間を要するので、受講生もそれなりの覚悟を決めて参加してもらうことになる。第1期目を開催したのが2008年(平成20年)であるから、ロングランの企画ものだといえよう。
 その背景には、戦後生まれの団塊の世代の高齢化も一因となっているのだろう。
 「中小企業2030年消滅?~社長の年齢、14年後80歳前後に」(日経新聞2016年6月6日付け)という衝撃的な第一面の記事を今でも鮮明に覚えている。
 さて、この育成塾の目的は、創業者の志を継承する「人材」を育成することにある。
そのために習得すべき最大のテーマは、「自己革新力」。
そして、それは➀ 思考力、② 数字力、③ モチベーション力という3つの要素を高めることによって培われるものだと考え、カリキュラム化している。
 これらを総称して一言でいうと、『マネジメント』だといえよう。その提唱者であるドラッカーが、『マネジメント』を理解するために準備してくれたのが次に掲げる“5つの質問”である。
 ① われわれのミッションは何か?
 ② われわれの顧客は誰か?
 ③ 顧客にとっての価値は何か?
 ④ われわれにとっての成果は何か?
 ⑤ われわれの計画は何か?
 ドラッカーは、『マネジメント』を次のように定義している。
 「組織に成果を上げさせるための道具・機能・機関」であると。そして、その『マネジメント』をうまく活用して、成果に結びつけているかどうかを自己評価するための手段として“5つの質問”を準備してくれたのだろう。
 非常にシンプルな質問であるが、実際にやってみると経営の本質が見えてくるから不思議なものだ。
 “5つの質問”を自らの経営に生かすために心がけておくべきことは2つある。
 ① まず一つは、常に問い続ける姿勢が大切である。
 ② それから次に、主語が「われわれ」ということはトップ一人ではなく、みんなで行うことが大切である。
 「迷ったら、原点」という言葉があるが、変化の激しいご時世である。ドラッカーから授かった知恵を大事にしながら、正しい経営に勤しみたいと思う。


                   ”考える言葉”シリーズ(24‐04)