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考える言葉

 

マーケティング

 
2023年01月23日(月)

 
 先週末(20~21日)は、IG後継者育成塾(第7期第7講)の開催日(福岡会場)であった。
今回は『マーケティングと企業価値』というテーマで、講師は公認会計士の弓削一幸先生を招いて、“マーケティング”について学んで頂いた。
ご存じのように、日本経済はバブル崩壊後(1990年代)、長期的な低迷期を迎え、
「失われた10年」と称されたが、いまや「失われた20年」あるいは「失われた30年」の様相を呈している・・・。
 一方、戦後日本の工業発展は目覚ましいもので、「世界の工場」と言われたほどで、モノを造る力が日本の経済発展の源であった。その頃は、まさにプロダクトアウトの時代であって、会社の方針や作りたいもの、作れるものを基準に商品開発を行っていたのである。
 つまり、「つくれば、売れる」時代であった。恐らく、“マーケティング”などは、二の次であったのだろう。
 80年代の日本経済は、すでに低成長期であった。企業の本業への投資も停滞し、「金あまり現象」が発生し、その金が土地や株への投資に向けられ、「バブル経済」に発展したのは周知の事実である。そして、バブルの崩壊へと続く。
 そんな歴史を辿りながら、いつの頃からか、マーケットインという言葉をよく耳にするようになった。
 スティーブ・ジョブズの言葉に、次のような言葉ある。
 「美しい女性を口説こうと思ったら、ライバルの男がバラの花を10本贈ったら、君は15本贈るかい?そう思った時点で君の負けだ。ライバルが何をしようと関係ない。その女性が本当に何を望んでいるのかを、見極めることが重要だ」
 さすが、スティーブ・ジョブズだ。まさに、マーケットインの発想そのものである。
 マーケットインとは、顧客が現状抱いているニーズを製品開発に反映させる考え方である。市場調査などの“マーケティング”をしっかりやって、顧客のニーズを汲み取り、顧客が欲しがる製品を作るのである。
 ここで気をつけるべきは、マーケットインの発想が良くて、プロダクトアウトの発想が悪いというのではない。つまり、二者択一の話ではないということだ。いずれの視点も活かせるようにするのが“マーケティング”のでもある。
 弓削先生は、“マーケティング”の目的は、「人を動かすこと」であると明言して、そのためにどう考えて、行動すべきかをわかりやすく語ってくれたと思う。感謝!



                   ”考える言葉”シリーズ(23‐03)