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考える言葉

 

心構え

 
2023年02月13日(月)

 「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず」 徳川家康の遺訓として有名な言葉である。
 その人生の重荷を半分にする方法があるという。その方法とは何だろうか?
 「天は自ら助くる者を助く」という言葉で有名な『自助論』(Self‐Help)の著者であるサミュエル・スマイルズ(S・Smiles、1812年12月23日生れで、英国の作家、医者)
が書いた書物の一つに、『向上心』(Character)という名著がある。
 これも、書棚を整理しているときに、目に留まり、再読した本の一冊である。
 この本の一節に、「われわれには意志と行動の自由がある」という文章がある。この自由をどう使うか、つまり、“心構え”次第で、その人の人生は良くも悪くも決まるというのだ。
 「物事の明るい面を見るか、暗い面を見るか、われわれは自分で選ぶことができる」からである。人生は自分が選んだとおりに“姿”を変えてくれる。「この“心構え”が人生の重荷を半分にする」のだという。
 小生は、自分を楽観主義者だというつもりはないが、どちらかと言うと、楽観的に物事を考えるタイプである。
「ピンチはチャンスだ!」と考えるのも、そうだ。これは、小さい頃、野球にはまっていたときに身についた習慣だと思う。不思議と、ピンチを乗り越えたあとに、必ずといってよいほどチャンスがやってくると経験から得たものであろう。
なぜ、ピンチのあとには必ずチャンスが訪れるのか?今だと、はっきりと言える。それは、“心構え”が変わったのである。つまり、「今度は俺たちがチャンスを活かす番だ!」と、気分が高まってきたからである。
これは、野球に限らず、チームプレーを行うスポーツをやった人であれば誰もが経験したことがあると思う。チームでやっていると、そのムードの高まり方が全然違うのである。
 仕事においても同じことがいえる。個人プレーのときよりも組織プレーで仕事をしているときが大きな成果を得られるのも、ムードの高まりにシナジー効果が生じているからだと思う。
 人生は、その人の“心構え”次第だという。但し、その“心構え”を支え、高めてくれるのは、同じ志を持って一緒に仕事をしている仲間たちであることに相違ない。
 そう考えると、職場環境はその人の“心構え”に大きな影響を与えているのだと思う。



                   ”考える言葉”シリーズ(23‐06)