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考える言葉

 

目的発想法

 
2023年05月01日(月)

 これも書棚を整理していたときに、目についた一冊である。もう20年近く前に購入し読んだ本であるが、次の一節が目に止まり、再読している・・・。
 「みなさん、地球上でいちばん開発が遅れているところはどこでしょうか」(『目的発想法』村上哲大 著)。
 著者は、それが「広大無辺の未開発領域が、頭の使い方(方法)の中に」として、発想・思考法・行動の仕方など人間行動のすべてにおける「方法の領域」だとし、それを最善にする方法として、“目的発想法”を提唱している。
 “目的発想法”とは何か?著者は次のように定義している。
 「物事のすべてを目的と手段で発想する方法技術」であり、つまり、「人が生きて何かを考え、何かをやろうとするとき、それらのすべてにつき、目的は最善・明確か、手段は最適か、を問う発想法」である。
 そして、その発想法の前提条件として、次の3つの前提を置いている。
 ① 仕事を含めて人生すべては問題解決行動の連続であるという前提
 ② 仕事、経営を含めて人生のすべては目的手段の体系であるという前提
 ③ 人生の100%は方法でなされているという前提
 なぜ、この本を再読しようと思ったのかというと、「会計を経営に活かす」という観点から、IG会計グループが創業当初から提案してきた「未来会計サービス」の考え方と多分に重なるからである。
 経営者とはつねに問題と向き合っている人のことであり、その問題を解決するためのお手伝いをするのが、我々会計人の使命であるという考え方に基づいて「未来会計サービス」を体系化している。
 経営者の抱えている問題を明確にするために先ず、「あるべき姿(目的)」を描いてもらう。そして、現状との差を捉えることによって、問題を特定する。さらに、特定された問題を解決するために何を為すべきか(手段)、を一緒に考える。
 それら一連の流れをしっかりと考えてもらうのが『将軍の日(中期5か年計画策定セミナー)』である。つまり、経営の目的と手段を具体化するための一日である。
そして、単年度計画に落とし込んで「仮説~実践~検証」を月次展開するのが「未来会計サービス」である。そのサービスを受けている企業の90%が黒字企業であることを考えると、“目的発想法”が「仕事や人生の究極の成功法則」であることが容易に理解できる。
 「目的は明確か、手段は最適か」をつねに問いかけるように心掛けたいと思う。



                   ”考える言葉”シリーズ(23‐16)