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考える言葉

 

未来会計

 
2023年05月15日(月)

 IG会計グループは創業当初から、“未来会計”の伝道師としての役割・使命を担う覚悟でずっとやってきたのだが、早いもので40年近くなる。
 その“未来会計”について、改めて少し考えてみたい。
 先ずその定義だが、“未来会計”とは、「経営者の意思決定をサポートし、思い描く未来(あるべき姿)を構築するために必要な管理会計の体系」をいう。
 端的に言うと、「目的意識を持って経営するための仕組みづくり」である。
 目的とは「成し遂げようとして目指す未来の姿」であり、その目的を達成するための手段・方法を具体化して、行動に及ぶまでの仕組みをつくることである。
 稲盛和夫氏の有名な言葉の一つに、「会計がわからんで経営ができるか」というのがあるが、ここでいう会計とはまさに“未来会計”のことをいっているのだと思う。
 現に、氏が目指す「アメーバ経営」の目的として次の5つを述べているが、その中に“未来会計”の重要性も掲げてある。
 ① 正しい経営
 ② 経緯実態を正確かつタイムリーに把握する「管理会計制度(=“未来会計”)」
 ③ 経営の重責を担う「共同経営者」を多数育成する仕組み
 ④ 「全員参加型経営の実現」
 ⑤ 「ガラス張り経営」
 “未来会計”の重要性を述べてあるといったが、「アメーバ経営」の目的を具現化する最善の手法こそが“未来会計”であるといっても、決して過言ではないという気がするのだが・・・。
 仕事を通しての実感であるが、経営者とは常に問題と向き合っている人だと思う。
だが、その問題が向き合うだけの価値があるのかどうかが正しく判断されているかどうかとなると疑わしいところがある。
 さらに、複雑化、多様化した今日的経済環境の中において、一層正しく問題と向き合うことが難しくなっているようだ。
 では、問題と正しく向き合うためにはどうしたらよいのだろうか・・・・。
 「何のために経営をしているのか」、つまり、目的を明確にすることから始めるべきだと考える。なぜなら、目的とは、「成し遂げようとして目指す未来の姿(=課題)」そのものだからである。
 小生自身、未来会計にずっと取り組んできて感じることであるが、何事を行うにしても必ず、「何のために」という目的を問う習い性が身についたように思う。



                   ”考える言葉”シリーズ(23‐17)