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考える言葉

 

エッセンシャル思考

 
2024年02月26日(月)

 「人生は選択の連続である」というフレーズ、かの有名なシェイクスピアが言ったといわれる名言である。
 高校の頃だったが、今後の進路をどうするかという話で、担任の先生が語ってくれたことを今でも覚えている。
 「君たちは若いから、いくらでも“選択肢”はある。自分が志望する進路をしっかり考えなさい」と。そしてさらに、「選ぶのは君たちの自由だ。だが、選ばれるかどうかという問題もあるぞ」と。つまり、選択の自由があったとしても、それに見合うだけの実力がなければ思うようにはいかないということだ。
 最近読んだ本に、『エッセンシャル思考~最小の時間で成果を最大にする』(グレッグ・マキューン著)がある。
 エッセンシャル(essential)とは「本質的な」という意味だが、“エッセンシャル思考”とは「大事なことを見極め、自分の時間とエネルギーを最も効果的に配分し、最高のパフォーマンスを発揮するための技術」である。
 つまり、「より少なく、しかしより良く」を追求する生き方だという。「今、自分は正しいことに力を注いでいるのか?」と絶えず問い続けるのが“エッセンシャル思考”の生き方である。
 そのためには、“エッセンシャル思考”の基礎となる、次の3つの考え方をしっかりと理解しなければならない。
① 選択・・・「選ぶ」という行動を自分のものにしなければならない。つまり、「選ぶという行為」に自覚的でなければならない。選ぶ能力は誰にも奪えない。ただ、本人が手放してしまうだけだ。(学習性無力感)
② ノイズ・・・大多数のものは無価値である。「成果の80%は20%の努力に起因する」という「80対20の法則」を忘れないことだ。
③ トレードオフ・・・「何かを選ぶことは、何かを捨てること」 誰かに決められる前に、自分で決めることだ。戦略には選択とトレードオフがつきものだ。独自性を意図的に選びとるのである(マイケル・ポーター)。
 “エッセンシャル思考”とは、「99%の無駄を捨て、1%に集中する方法」であるという。人生を振り返ってみると、非エッセンシャル思考的な生き方をしてきたかと反省せざるを得ない。
 「賢く生きる者は、不要なものを排する」という。「やると決める」「大事なものはめったにない」「何でもできるが、全部はやらない」を肝に銘じたい。


                   ”考える言葉”シリーズ(24‐08)