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事業機会

 
2018年10月29日(月)

 先だっての日本M&A協会理事総会(札幌)のとき、開会挨拶で『21世紀はパラダイムシフトの時代である。故に、激しく成長していなければ激しく落ち込む時代だ』(京大・中西輝政教授)の言葉を紹介したら、何人かの人から共感の言葉を頂いた。
 
 パラダイムとは、思考の枠組み(=価値観)のことだ。パラダイムシフトが起きると、過去の延長線上に未来が描けなくなるのである。その一つの要因として言われているのが、グローバル化である。
 
 その特徴は、バウンダリーレスといわれ、あらゆる境界が融けていく時代である。つまり、経済的にいうと世界の市場が一つになる。競争が激しくなると同時に、ビッグ・チャンス到来の時期でもあるのだ。
 
 札幌から東京へ向かう飛行機のなかで、何気に日経新聞を読んでいると、次のような記事が目に入った。
 『インド格安ホテル、日本へ』・・・インド発の新興格安ホテル運営会社OYO(オヨ)が2018年度内にも日本進出。
 OYOの創業者でCEOのリテッシュ・アガルワル(24歳)は、個人経営で品質がまちまちの低価格ホテルのチェーン化の“事業機会”を見出し、19歳で起業したという。13年の創業から2年で、客室数でインド最大手になり、中国では昨年10月に進出し、10か月でトップ10入り。現在の客室数は全世界で27万室であるが、四半期の増加数が14万室だそうで、20年末までには世界最大手のマリオットを追い抜くのではないかといわれている。
 
 成長の最大要因は、既存施設FC化。詳細の説明は省くが、AIやスマホのアプリなどの技術を活用し、次のような改善を可能して、安定した高稼働率と低コストで高収益を確保するビジネスモデルをつくって、既存施設FC化に成功したという。
 
 ① 宿泊需給データを常時分析し、稼働率の最大化を図る。
 ② ホテル運営に必要な機能をスマホのアプリにして、経営の効率化を図る。
 ③ 客室設備や清潔度をブランドごとに標準化し、従業員教育を徹底する。
 ④ 一定の品質で割安で泊まれる仕組みをつくり、リピーター率が高める。
 ⑤ 安定した高稼働率と低コストで高収益を確保できるため追加投資ができる。
 
 彼の凄いところは、AI等の最新技術を使いこなすところにもあるが、徹底したマーケットイン(相手の立場、困りごと)の発想のあると思う。日本への進出も、「東京五輪に向けてホテルを展開し、日本のホテル不足解消に少しでも貢献したい」と話す。
 “事業機会”は、自分都合では掴めない。他者への貢献が主眼となる。
 
”考える言葉”シリーズ(18‐37)
 
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