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考える言葉

 

潜勢力

 
2020年08月17日(月)

 コロナのおかげ(?)で、出張がなくなり、読書量がずいぶんと増えた・・・。せっかくの機会だから、ハウツー本ではなく、心を磨くのに役立つような本をできるだけ読もうと心掛けてみた。
 そこで書棚を探していると、目に付いたのが哲人・中村天風に関する数冊の本だった。“考える言葉”シリーズ(20‐27)で紹介した“雲烟過眼”もそうであったが、今回は“潜勢力”について考えてみたい。
 “潜勢力”とは、「潜在勢力」と同じ意味で、人の生命の奥深くに実在している力のことである。
 天風曰く、
 「人の心の奥には、“潜在勢力”という驚くべき絶大なる力が、常に人の一切を建設せんと、その潜在意識の待ち構えて居る」(『天風誦句集』)と。
 そして、人の心が無限大だというのは、その“潜勢力”が宇宙エネルギーに通じているからだという。
 ではなぜ、人の心に、このような偉大な力が与えられたかというと、天風は「人間は進化向上という尊い使命を果たすべくこの世にきたのだ」と言い切っている。この言葉も、生きる目的に大きな勇気を与えてくれる・・・。
 さらに、天風は、“潜勢力”がこの膨大なエネルギーを解放する鍵は次の二つであると、示唆している。
  • 一つは、積極的な心構え(正しい心、勇気ある心、明るい心、朗らかな心)で思考し、行動すること。
  • もう一つは、使命観(世の中の進化向上に貢献する)を持つこと。
 そして、積極的な心構えを培うのに大切なことは、日常的に使っている「言葉」だという。「言葉」は、直接的には自分の心の態度を、そして結果において自分の人生や生命に大きな影響を与えているという。
 そして、セルフモチベーションを引き出すベースとなるのが「使命観」である。世の中の進化向上に貢献するために、「何をなすべきか」をつねに自問自答しよう。
 誰だって“潜勢力”を顕在化できるはずなのに、多くの人は潜勢力を眠らせたままでいるという。もったいない話だ・・・。
 自助とは、“潜勢力”を発揮して、自己救済し、自己実現することをいう。自立とは、“潜勢力”を発揮して、価値高い人生を建設することをいう。
 “潜勢力”を引き出し、「自助自立」の生き方をしたいと考える。
 
”考える言葉”シリーズ(20‐30)