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考える言葉

 

異次元

 
2020年10月12日(月)

 ある本を読んでいて、“異次元”という言葉に魅かれた。なぜ魅かれたかというと、今のコロナ・パンデミック(世界的流行)は私たち人類にパラダイムシフトの必然性を示唆しているのではないかと思っていたからだ。
 
 「過去の延長線上に未来はあり得ない!」と・・・。つまり、存続・発展していくためには、パラダイム(価値観)そのものを根本からみなおし、自らの意思であるべき姿を明確に描くべきだと・・・。
 
 そのために必要な発想が“異次元”ではないだろうか。
“異次元”とは、「① 次元の異なる世界。② 通常とは全く異なる考え方、それに基づく大胆な施策」とある。
 
 パラダイムシフトの“異次元”的発想を具体的にいうと、「分離思考」から「統合思考」へと次元を変えるということであろう。(『経営人間学講座』・竹内日祥上人)
 
 まず、ここでいう「分離思考」の分離とは、「主観と客観を分離する」という意味であり、「自他分離思考」という。つまり、「他人と自分とは違う」と自分と他者を分けて考える思考である。その結果、物事を二項対立的に捉え、どうしても自分本位な考え方に陥ってしまう欠陥がある。
 
 一方、「統合思考」は、「出逢った相手は自分である」という考え方で、「自分と他人は一つの人格を共有しており、分離することができない存在である」という思考であり、「自他非分離の思考」という。その結果、物事を二項共存的に捉えることができるので、
 
相手本位の思考と行動がとれるようになる。
 
 20世紀は科学万能の時代であったと言われているが、その科学の発達を根本的に支えたのが要素還元主義という考え方で、分離思考的な時代の価値観を培う元となった。その結果、様々な功罪をつくり、今がある。
 
 その反省を踏まえて、21世紀となり、すでに20年が経つ。その21世紀は思想・価値観の時代であると言われている。勿論、その時の思想価値観とは、分離ではなく「統合の思想・価値観」である。
 
 IG会計グループは、中期ビジョンとして「Breakthrough 10」を掲げているが、その実現のためには“異次元”的成長(低次元から高次元)が大きな課題となる。つまり、「統合の価値観」を組織の全員で共有できるかどうかに懸かっているといえよう。
 
 当面の課題として、次の3つに徹底的にチャレンジしたい。
自分本位から相手本位(顧客満足度)へ
現在本位から先行本位(未来思考)へ
順境本位から逆境本位(成長思考)へ
 
”考える言葉”シリーズ(20‐38)