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考える言葉

 

同族経営

 
2021年02月15日(月)

  周知のことだが、中小企業のほとんどが同族会社である。
 同族会社とは、法人税法上、会社の株主の3人以下、並びにこれらと特殊な関係にある個人や法人が議決権の50%超を保有している会社をいう。そして、税法上3つの特別規定(①留保金課税、②みなし役員の損金不算入、③行為計算否認)が適用される。
 さて、法的には上記の通りであるが、同族会社の最も特徴的な事といえば、やはり、“同族経営”ではないだろうか。家族経営オーナー系企業およびファミリー企業などと呼ばれ、身内によって支えられているところが多い。
 “同族経営”の企業は日本の企業の97%を占めているというが、そのメリットとは何だろうか?次のようなことが考えられる。
 ①意思決定が早い(リーダーシップの発揮)
 ②運命共同体的な意識が高い
 ③企業に対する愛着心、執着心が大きい
 ④トップの経営理念が浸透しやすい(良好な人間関係、価値観の共有)
 ⑤状況に対して柔軟に対応できる
 もちろん、逆にデメリットもある。
 ①長期的なワンマン経営に陥りやすい(改革が起きにくい)
 ②機能的な取締役会がない
 ③優れた経営者の輩出が難しい(後継者問題など)
 ④相続問題が経営に直結する
 ⑤どんぶり勘定の経営になりがちである
 ⑥人材の離職率が高い
 ⑦経営者の信用が会社の信用となる
 他にも、メリット・デメリットがあると思う・・・・・。
 さて、経営とは環境変化への適応業である。今、このコロナ禍の状況あるいはアフターコロナにおける環境にどう対処し、適応しようとするのかが問われているのではないだろうか。
 トップの意思決定(決断力とスピード)、それに伴う一丸となった組織的な対応(運命共同体意識)、組織への執着心(ぜったいにつぶさない)など、“同族経営”のメリットを生かすべきチャンスである。
 “同族経営”の良さを生かし、社会的な貢献性を発揮したいと思う。
 
                   ”考える言葉”シリーズ(21‐07