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考える言葉

 

レスの時代

 
2021年05月24日(月)

 「コロナ後に世の中はどう変わっていくのだろうか?」ということを思考しているとき、出逢った本に『コロナ後に生き残る会社 食える会社 稼げる働き方』(遠藤功 著)がある。
 その著書の中に、「コロナ・ショックは“レスの時代”の幕開けである」という面白い内容が記載されていたので紹介をしたい。
 氏がいうには、コロナ・ショックは「福音(ふくいん)」だった・・・。なぜなら、結果として、「レス」という「新たな選択肢」を手に入れることができたからだという。
 コロナによって私たちは行動自粛を余儀なくされ、否が応でもオンライン化やリモートワークを進めざるを得ない状況に追い込まれた。
 しかし、それによって「ペーパーレス」「ハンコレス」はいうに及ばず、「通勤レス」「出張レス」「残業レス」「対面レス」「転勤レス」など、「レス」できるものが多いことに気づかされたのである。
 「選択肢」が増えるということは、豊かになることである。同時に、これからは「複数の選択肢」を賢く使い分けていく時代になるということだ。だが、ここには一つの問題が出てくる。それは、賢く使い分けができる人とそうでない人の間に格差が生じるということだ。
 著者はこの点について、次のように述べている。
 「ポストコロナは、高度専門性を備え、市場価値のあるプロが大活躍する時代になる」と。つまり、上司の言うことを聞き、まじめに働くだけのサラリーマンは淘汰されるか、極めて低い賃金で働かざるを得なくなるということだ。
 「スマートワーク」という言葉がある。どういう意味かというと、多様な働き方を採用し、生産性を上げ、効率的に働く「働き方」をいう。そして、それは「プロ」としてふさわしい新しい働き方である。
 「スマートワーク」、つまりプロとしての「働き方」を身につけるには、次の二つの視点で「働き方」を見直す必要があるという。
 ① 一つは、「生産性」をいかに高めるか。
 ② もう一つは、「創造性」をいかに高めるか。
 つまり、ムダを省き「効率よく働く」ことと、ユニークな発想と斬新なアイデアで「価値あるものを生み出す」ことはトレードオフではないということだ。
 “レスの時代”とは、不要なものを「レス」すると同時に、新たな価値を創出してこそ、真の意味での「プロの仕事」だと評価される時代だといえよう。
 
                   ”考える言葉”シリーズ(21‐20