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考える言葉

 

プロの時代

 
2021年05月31日(月)

前回の“考える言葉”シリーズ(21‐20)で、『レスの時代』について紹介した。
 その記載があった『コロナ後に生き残る会社 食える会社 稼げる働き方』(遠藤功 著)の著書の中に、もう一つ意義深い視点での内容があったので、それも紹介しておきたい。
 それは、「コロナ・ショックは、ビジネス社会における“プロの時代”の幕開けになる」という指摘だ。つまり、滅私奉公的なサラリーマンは淘汰され、高度専門性と市場性を兼ね備えた「“プロ”が活躍する時代」になるという・・・。
 「コロナ後の時代環境はどう変化していくのだろうか?」について、関心と同時に計りかねていた小生にとっては、示唆深く、有難いサゼッション(suggestion)である。
 このサゼッションの前提には、世界経済が大きく縮む・・・。恐らく、「70%エコノミー」が妥当だという予測がある。「縮んだ経済」の中で生き残るためには、企業も身を縮めるしかない。
 そのとき、「プロ」と「アマ」の差が歴然としてくるのだという。つまり、「プロ化するビジネス社会」とは、「人が生み出す価値には歴然とした差がある」という現実を認める社会のことである。
 それと、“プロの時代”が進むに連れて、日本における人材の流動化は、急速に高まっていくと予測される。つまり、終身雇用や年功序列的な慣行は大きく変わっていくだろう。
 著者は、“プロの時代”の幕開けの中で、プロとして勝ち残っていくためには次の5つのパラダイムシフト(発想転換)が不可欠であるという。
 ①「社内価値」ではなく、「市場価値」で勝負する
 ②「プロセス」ではなく、「結果」にこだわる
 ③「相対」ではなく、「絶対」を目指す
 ④「他律」ではなく、「自律」で行動する
 ⑤「アンコントローラブル」は捨て、「コントローラブル」に集中する
 以上である。世界経済が大きく縮む中で、著者が言いたかったことの一つは、職業や職種の視点からだけ見ていると、落とし穴にはまるということだ。大事なのは、どの職業であろうと、「その職業に従事する一人ひとりがプロなのか、アマなのか」ということである。
自分は何の「プロ」なのか?何の「プロ」を目指すべきなのか?いまこそ、自らに問い直す必要があると考える。
 
                   ”考える言葉”シリーズ(21‐21