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考える言葉

 

“戦いは勢いなり”

 
1999年03月29日(月)

 孫子の兵法「第五勢篇」の中に“戦いは勢いなり”とあるが、今まさに日本にとって大切なことはこの“勢い”ではなかろうか。
 特に、激変の中で大競争に晒されている企業にとって、組織に勢いを再生することが急務であるといえよう。
 そして、孫子は「善く戦う者は、之を勢に求めて、之を人に責めず」と断じている。つ
まり、組織全体に“勢い”をつくり、一人ひとりのヤル気を引き出すのが経営者の仕事であると教えている。
 ではどうすれば“勢い”をつくることができるのか、孫子はこれに対し「戦いは正を以
て合わし、奇を以て勝つ」と述べている。つまり、“勢い”をつくる決め手は『正攻法を
絡めた奇法』ということになる。
 正攻法と奇法は『基本と応用』と置き換えることができる。
 経営の基本と何か?それは戦いに負けない“強い組織”をつくることである。そのためには“あるべき理想の姿”を明確に描き、現実とのギャップを確実に埋めていく揺るぎない信念が大切であろう。この不断の努力の積み上げによってつくりだされたエネルギ-の蓄積こそ“勢いの素”なのだと思う。
 経営における応用とは何か?それは環境の変化あるいは顧客のニ-ズへの対応のしかたをいう。そのためには“焦点をしぼりこんだ戦略目標”を掲げ、その達成のためにあらゆる手段を講じ、勝機を逃さずタイミングよく行動を起こすことである。
 “勢い”は正(基本)と奇(応用)組み合わせによって生じる力であり、経営における
“勢い”は強い組織づくりと戦略・戦術の立て方の如何によって決まるといえるのではないだろうか。
 
  (1)戦いは勢いである
 
  (2)勢いとはリ-ダ-がつくるもの(組織づくりと戦略・戦術)
 
  (3)勢いとはタイミングであり、タイミングとは“備え”である
 
  (4)勢いとは“備え”であり、“備え”とは経営計画のこと