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考える言葉

 

思想の大切さ

 
1999年05月17日(月)

 「行動にはつねに動機があり、目的がある。動機が正義であり、目的が善であって、その行動だけが悪だということは、人間にはありえない。

 行動を生む動機とか目的は、その人間の思想が組み立てるものだ。思想が正しくなければ、正しい行動は生まれない。何をするかより、何を考えているかが重要なのである。行動という刃物が、利器なるか、凶器となるかは、その行動を支える思想あるいは理論が正しいか、正しくないかによって決まるのだと思う」

 本田宗一郎氏の語った言葉である。小学校を出て、すぐに自動車修理工として働いた履歴からか、すべてを体で覚えたように思われたりしているが、決してそうではない。理詰めで物事を捉え、織田信長のような合理的な発想を持った人だったのではないだろうか。

 本田語録は、一見「エッ」と思えるようなことが多いが良く考えると「人をその気にさせるコツを心得ているなァ」と感心させられてしまうのである。

 進学しなかったのも、自動車の修理をするのに学校教育は役に立たないと考えたからだろう。 自由奔放な発想とユニークな生き方が個性的で、無手勝流のように見えるが実に良く裏の裏まで見切っている。思考力の凄さを感じさせるのである。

 氏においては、好きな仕事を通して思想性を高め、深い思考力を磨き上げたのではないだろうか。やっぱり、人は仕事を通して成長し、完成されていくのだと確信する。

 序でに、本田宗一郎の掲げた社是を紹介しておきたい。

1)常に夢と若さを保つこと

2)理論とアイデアと時間を尊重すること

3)仕事を愛し職場を明るくすること

4)調和のとれた仕事の流れを作りあげること

5)不断の研究を忘れないこと