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考える言葉

 

万能利益の方程式

 
2021年09月20日(月)

 長引きそうなウィズコロナと、コロナ終息後のアフターコロナにおける心構えと対処法について、様々な意見を見聞するようになった。
 そんな中で、誰もが共通して指摘していることが一つある。
 それは、コロナが落ち着いた後も、「コロナ前の状況に完全に戻ることはない」ということである。つまり、コロナ禍で起こった変化の一部を受け入れ、自らを変えていく必要があるというのだ。
 コロナ禍における企業経営者の最大の悩みは業績の悪化、低迷であろう。当然ながら、業績の回復を願う。その時に、気をつけるべきことは売上至上主義の考え方であろう。「売上ノルマ」から「“利益”ノルマ」に意識を変えるべきではないか・・・。
 そこで、“利益”の概念について改めて考えてみたい。
 通常、私たちは“利益”を計算するとき、「“利益”=収益-費用」あるいは「“利益”=売上×限界利益率-固定費」という計算式を使う。
 しかし、この計算式では今一つ“利益”の源泉が抽象的で、売上さえ伸ばせば“利益”は何とかなると思いがちだ。それでは、“利益”を増やすコツが曖昧だ。
 そこで、『勝間式 利益の方程式』(勝間和代 著)で著者が提唱している次の計算式を紹介したい。
 『利益=(顧客当たり単価-顧客当たり獲得コスト-顧客当たり原価)×顧客数』
 確かに、“利益”を出すための要素を、以下の4つの要素に分解してしまうと、自社にとってどのキーレーバーがよく効くか、捉えやすくなるだろう。
 ① 顧客単価・・・4つの変数の中で最も重要な要素で、企業価値を最も大きく決め
てしまうものである。1円でも、2円でも上げる努力をすること。
 ② 顧客獲得コスト・・・最も儲かる商品とは、顧客獲得コストがほとんどただの商品である。一度買った人がリピーターになり、口コミしてくれる。ブランディング。
 ③ 顧客原価・・・直接コストと、間接コストの配賦の合計となる。顧客の購買ポイントを押さえ、そこには十分なコストをかけるが、それ以外の面ではオーバースペックを避けること。
 ④ 顧客数・・・顧客当たりの儲けに顧客数を掛けると、“利益”になる。顧客数の拡大は、他の3つの変数への良循環を生み出す力となり、「規模の“利益”」という効果を生み出す。
 アフターコロナの経済的な環境は、「売上ノルマ」から「“利益”ノルマ」へと舵を取る時代になるだろう。ぜひ、「万能“利益”の方程式」を活用してみよう。
ぜひ、参加して頂き、自社の“知的資産”経営を再考し、活かして頂きたいと思う。
 
                   ”考える言葉”シリーズ(21‐37