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考える言葉

 

相互理解

 
1999年11月08日(月)

 人間は誰一人として他との関わりを持たないで生きていくことはできない。その意味においても、人間関係において相互理解を深め合うことは大切なことである 特に、職場における人間関係は仕事の良し悪しに対して大変強い影響を与えていると言われ、多くの事例も然る事ながら、自らの体験においても納得できる話ではないかと思う。

 価値観が多様化する時代の中で、職場における上下あるいは同僚が“心が通える関係”であることは、何よりも変えがたい、今最も求められていることではないかと思う。本当に、真底“心が通い合える職場”を創れたら、どんなに仕事が楽しいことか又想像をはるかに超えた仕事の成果を分かち合えることだろう。

 仕事は成果を出してこそ価値が生まれるのであって、私たちは仕事に生きがいや喜びを確信できるのである。そして、それは皆の協力がなくては決して得ることは望めないのである。大切なのはお互いがお互いをよく知ること、つまり“相互理解”をどれだけ深めることができるかであろう。そのためには対話を心掛けたいと思う。

 特に、上司は部下一人ひとりのことをもっと知るように努力すべきである。自分の部下がどんな人間なのか、どんな思想を持っている人間なのか、どんな考え方、価値観を持って仕事をしているのか、あらゆる機会を通じて部下のことを理解すべきである。

 そして、地位や立場にとらわれず自らの心情を語り、自分がどんな考え方、価値観を持って生きているのか、仕事を通してどんな理想を実現したいと考えているのかを知ってもらうこと…・・。信頼と尊敬を得てはじめて、自分一人では出来ない大きな仕事が出来るのである。

 土光敏夫氏もそうであったように、優れた、魅力あるリーダーとは自ら現場へ足を運び、一人ひとりの話に真剣に耳を傾け、相手の気持ちを深く知りたい考えており、又自らの想いを熱っぽく語っている。同じ職場で働く人間、これも何かの縁であろう。“相互理解”の重要性を改めて深く考えてみたいと想う。

 「人間は、自分を知ってくれる人の為にしか、本気で尽くそうとはしない」という。(経営人間学講座‘99.5)