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考える言葉

 

“スピード”

 
2000年04月10日(月)

 “スピード”と言っても、沖縄出身のボーカル・グループ“スピード”の解散話を取り上げようとしているのではない。テンポ(速さ)の重要性について考えてみよう。
東京と地方を行き来していて、最も印象に残るのは“テンポ”の差である。私が思うに、その差は“賃金格差”以上のような気がする。

 東京人は「せっかちなのか」と言うと決してそうではない。昼食一つにしても、整然と並んで待つ。地方育ちの私には到底出来ない芸当ではあるが…・・。
せっかちとスピードとは無関係である。テンポの良い人には計算され尽くしたセンスがあり、状況判断が上手いが、せっかちな人は思うようにならない状況や相手にイライラするだけで計算が出来ない、そして結果、損をする人である。

 “テンポ”の差はどうして生じるのであろうか。
東京と地方といったテンポの地域格差は、“競争の原理”が強く働いているかどうかに起因しているのではないだろうか。東京と地方では競争の熾烈さが全然違う。
そこに住む人々の競争意識が“テンポ”の差として出て来ているのではないかと考える。危機意識の温度差とも言えよう。

 これからの時代はグローバル化を伴った変化の激しい時代であり、競争の原理が強く働く時代である。このことは“スピードを競う時代”であることを意味している。つまり、仕事やビジネスで成功を収めたければ、“テンポの良さ”は常に考慮に入れておかねばなるまい。

それから、“テンポの差”には個人間格差がある。勿論、地域性に関係なくテンポの良い人はいる。その差は何から生じているのか、いろいろな要因が考えられるが、一つだけ挙げるとすれば、私は“目的意識”の差でないかと考える。

 目的を特定できている人には“迷い”がない。自分の進路・方向性が明確であるし、自分が何を為すべきなのかがハッキリとしている。
人間は目的がハッキリしていると、迷わないのである。一日一日の為すべき行動が見えているので、焦りも生じない。

 今の時代、リーダーシップが大変問われる時代である。「リーダーが迷っていてどうするのですか!」
 スピードを競う時代、“テンポの良さ”が勝負を決めるのである。

 “競争意識”と“目的意識”を培った人、組織が生き延びて行くのであろう。