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考える言葉

 

成長とバランス

 
2000年06月05日(月)

 

  元気が今一つ無かった、さざんか(山茶花)の新緑が驚くほど美しくなった。庭柵として植えているのであるが、毎年冬場には淡紅の花をいっぱい咲かせて、楽しませてくれる。

数週間前まで、新芽に元気がなかったので調べてみると、周辺の土が小さなスコップでは掘れないほど堅くなっている。入念に掘り起こすと、根が張り過ぎて、ひしめき合っている。根切りをして、土を柔らかくしてやり、油粕をまいてやる。1週間位して、また土掘りをしてやると、大きなミミズが出てきたのには驚いた。

植物は正直で、素直である。成長に必要な自然環境さえ整えてやると、驚くほど素直に反応してくれる。

雨上がりの庭先で、ふと考えた。人間も組織も自然の一部であるならば、本質は何ら“さざんか”と変わらないのではないかと。

庭柵としての限られた空間にも拘らず、隣同士で根の張り合いをし過ぎて環境を悪化させ、養分が全体に行き届かず、バランスを逸してしまったのだろう。

成長の阻害要因は根に片寄り過ぎたこと。根切り(阻害要因の除去)をすることによって、全体のバランスが良くなり、元気になった。

人間には“考える力”がある。自分の頭で良く考えてみよう。

仮に成長できないでいるとすれば、必ずバランスが崩れているのであろう。環境(=自己の存在を支えてくれているもの)に順応できない何かが、つまり自己の成長を阻害する要因が、必ず自分の中にあるはずである。

 

 (1) 心身に影響を及ぼす悪習慣がないか

 (2) 毎日の仕事に自分を打ち込んでいるか

 (3) 小さいことにこだわって、イライラしてはいないか

 (4) 目先のことばかりに気を取られ、目的を見失っていないか

 (5) 億劫や面倒が先に立って、心を老化させていないか

 (6) たえず探究心を持ち続けているか

 (7) 謙虚さや素直さを忘れてはいないか

 (8) いつも感謝(報恩)の気持ちを持っているだろうか

 (9) 人との出逢いを大切にしているか

 (10) エキスパートとしての技術・知識の習得に努めているか

 (11) 人間の器を大きくするための修養をしているか

 (12) 高い思想、哲学、宗教を持っているか

 

いつまでも成長をし続けていきたいと願う。