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考える言葉

 

ストラテジー(戦略)

 
2000年05月29日(月)

 アメリカという国は、ストラテジー(strategy:戦略)的な構想を好む。好むというより、むしろ世界の覇権国であるいう自負がそうさせるのかもしれない。
 最近、米国防省は「アジア 2025」と題して、未来の対アジア戦略課題として、今まで重要な意味を持っていたロシアや日本がわき役に下がり、代わって中国やインドが主要なプレーヤーとして浮上してくるであろうという内容の報告書をまとめたという。(朝日新聞5月28日付け)
 あらゆる状況を想定し、いくつかのシナリオを描いてシミュレーションをおこなった結果であろう。中国を「米国の永続的な競争相手」と規定し、いずれインドが世界の桧舞台に何らかの形で台頭してくるであろうと考えているようだ。
 アメリカは、自国が永続的に覇権国であることを前提に考えているようである。しかし、ある人によると、21世紀の後半頃からアメリカの国力は急激に衰え、世界の覇権はアジアに移るであろうと予測している。その時、日本は中心的役割を担うことができるのか。日本民族は人類の新しい歴史を切り開いていく可能性を持っているという。しかし、そのためには今、相当の変革ができるかどうかにかかっていると言う。
 さて、歴史の行方は…・・。私は日本が出てくるであろうと確信しているのだが。
それにしても、人間の持つ想像性は素晴らしい。過去には勿論、永遠の未来にまで想像力と言う翼を広げることができるのである。この想像性がある限り、人間は無限の可能性を秘めていると言える。
 閉塞状況にある今こそ、人間一人ひとりが持つ“想像性という無限の力を経営に活かせないか”と切に思う。私だけではあるまい。
 そのためにはどうすれば良いのか?先ずは想像するための時間を持つことが大切であろう。
 そして、アメリカのように“リードするのは自分である”という自覚も大切であろう。そうすると、戦略的に物事を捉え、考えることの重要性を強く認識するに違いない。
 戦略とは、大局的な視野に立って、「長い目で、多面的に、そして根本的に」考えることである。
 自社が持つ経営資源をしっかりと見なおし、人間の持つ想像力を信じて、未来に繋がる太いパイプをイメージしてみよう。必ず方向性が見えてくるはずである。
 これからの時代は、過去にとらわれていては未来を失う。今を、そして未来をいかに考えて行動するかである。
 戦略思考とは、未来指向であり、“未来に焦点をあてて、考え、行動する”ことである。