本文へ移動

考える言葉

 

意思決定

 
2000年12月04日(月)

 今や大転換期、一つの判断ミスがとんでもない事態を招くことがある。ましてや、それがトップの決定だったら致命傷となり兼ねないこともある。

 最近の例でいうと、自民党・加藤紘一氏(派閥の領袖)による“森内閣下ろし”のドタバタ劇などはまさにその手の類と言えよう。

 決定とは、何らかの“成果”をあげるために行う行為である。その観点からいうと、「成果があがらない決定は行うべきではない」と言うことになる。
だからと言って、「リスクを恐れ、決断をしない」で先送りをしていると、時間が立つに連れてボディブローのように効いてきて取り返しがつかない状況へ追い込まれるであろう。
いずれにしても決断しなければ、何も始まらないことは事実。問題解決をしようと思えば、意思決定は避けては通れない責務である。

 そこで、正しい意思決定を導くための要件について考えてみたい。

 (1) 問題の本質を見極め、「何を解決すべきか」目的を明確にすること

 (2) 「何が正しいか」、正論から考えること(妥協から入らない)

 (3) 結論を導くための必要条件を徹底的に洗い出すこと(キー・マンなど)

 (4) 決定は実践可能であること

 (5) 決定内容について、検証可能な仕組みを作っておくこと(現場主義)

 (6) 満場一致の決定には注意すること(異なる見解を引き出せ)

 (7) 迷いが払拭できないときは決定をしないこと(但し、決断を長引かせるな)

 一応、七項目にまとめてみたが、他にも決定の秘訣があるだろう。要は、自分が自信を持てる意思決定の基本パターンを確立させておくことが肝要だと思う。

 変化とスピードの時代である。意思決定が要求される重要なポジションとは、トップに限らない時代になっている。組織内部に意思決定のための基準を持っておくべきではないだろうか。

 今は、あらゆる秩序が崩れていく時代である。自らの手で未来を描かなければ、生き延びていけない時代である。