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考える言葉

 

復活

 
2001年01月22日(月)

 貴乃花が武蔵丸を破り、久し振りに優勝した。大相撲初場所は強い貴乃花の復活のステージとなった。

ここ数年、いろいろなスキャンダルも続き、絶頂を極めた双子山部屋の凋落ぶりには栄華必衰のことわりを思わせた。
 貴乃花はインタビューに応えて、「無心でやれたことがよかった」と言っていたそうであるが、私なりに“貴乃花、復活!”の要因を考えてみたい。

 一言でいうと、「自分がしっかりしないと、双子山部屋も自分も潰れる」という危機感の中で、相当の“意識改革”があったのではないか。
この意識改革が、貴乃花の中にあった成長願望に新たな火をつけたのだろう。

 大変珍しいことだそうだが、決定戦を待つ間、貴乃花は「強くなりたいと思って練習をしていた頃の自分を思い浮かべながら」“てっぽう”を打っていたそうである。
「相撲以外のことは何も考えず、強い横綱を目指してひたすら努力をしていた頃の自分を取り戻したい」、それを“無心”と表現したのではないかと思う。

 今場所の“貴乃花、復活”のドラマから、いくつかの経営再建のキーワードを学ぶことができるのではないか。

 (1) 現実を直視し、その現実から逃げないこと(危機感)

 (2) 迷ったら原点(初心)に戻ること(目的指向)

 (3) 常に、本業に徹すること(フォーカス)

 (4) 結果を出すまで、黙して語らず(忍耐)

 (5) 慢心せず、常に成長を心がけること(成長願望)

 「今の自分で満足できるのか、どんな自分でありたいと想っているのか」、毎日一度は自らに語りかける時間をもとう。
そして、日々新たにチャレンジする気持ちを忘れないことである。そうすれば、未来に向かって常に成長し続ける自分の姿を鮮明に思い描くことができるはずである。

 今や、変化は常態。今のままで在り続けることは、あり得ないのである。自分の心の在り様で、未来はいかようにも変化する。
まさに、未来は“心一つの置きどころ”なのだ。

 貴乃花には来場所も連覇して、完全復活をしてもらいたと思う。