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考える言葉

 

貢献

 
2001年04月23日(月)

 マズローは、人間の持つ究極の欲求は"自己実現"にあると説いた。
私も自分の人生の目的を思うに、自己をどのように完成させるかは"人生最大のテーマ"であると考える。
 
 しかし、その道のりは険しく、挫折することが多い。いつしか気付いて見ると、妥協の産物のような自分がいる。人間にとって、自分との約束が最も破りやすい約束であることに気付かされる。
 
少し長い引用になるが、ドラッガーの次の文章を紹介したい。
「"どのような貢献ができるか"を自問することは、自らの可能性を追及することでもある。そう考えるならば、多くの仕事において、優秀な成績とされているものの多くが、実は、その膨大な貢献の可能性からすれば、あまりにも小さなものであることがわかる。"どのような貢献ができるか"を自問しなければ、目標を低く設定してしまうばかりでなく、間違った設定をする。何よりも、自ら行うべき貢献を狭く設定する」
 
 自己実現とは、"自らの可能性を追及すること"である。そして、それは"仕事に対する自らの貢献"を考えること、すなわち、"どのような貢献ができるのか"を自問することから始まる。
 
私たちは、貢献について考えるとき、次の二点が大切となる。
一つは、「仕事への貢献が自己実現の唯一手段である」という確信を持ち得るかどうかである。
 
そして、このような考え(価値観)を持ち得た人は、自分と仕事との関係において生じるあらゆる矛盾を解決できるようになる。それは、"自分の目的"と"仕事の目的"との同化がなされるからである。
 
 次に、「仕事の目的を特定すること」である。貢献とは、仕事の目的に対して成果を出すことである。つまり、目的意識を持って仕事に取り組むことは、「どのような貢献ができるか」を考えるとき、極めて重要なことである。
「何のために」(目的)、この仕事はあるのか。この仕事を通して、誰にどのような影響を与え得るのか。そして、貢献度の高い仕事をするためには、どのような関係性を構築しなければならないのか。

 このように人間は、貢献に視点をおいて考え、行動するとき、視野を広げることができる。
 私たちは、"貢献すること"を真剣に考えて生きるとき、自らを欺かない人間に成長できるのではないかと思う。