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考える言葉

 

タウンミーティング

 
2001年06月18日(月)

 「小泉改革」へ理解を求める対話集会“タウンミーティング”が16日、青森と鹿児島からスタートした。
 “タウンミーティング”は、「日本の問題を共有して考える場」を持ちたいという竹中平蔵経済財政担当相の発案だそうだが、首相官邸ホームページ(www.kantei.go.jp)"小泉内閣メールマガジン"といい、やっと国民を巻き込みながら、政治が動きだした。しかも、評判は上々だ。
 動きだしたら何でもそうだが、簡単に見えてもっと早く始めとけばよかったと感じたりする。考えたり、悩んだりしていただけでは駄目で、やっぱり動かないと何も変わらないのである。
 小泉内閣は、対話のための全国行脚を始めたわけであるが、気になることが一つある。それは、「総論賛成、各論反対」という図式の“地域エゴ”と、どのように向き合い対処していくのか。
 「日本の問題を共有して考える」ということは、日本の新たな未来を構築するために、痛みを伴う“聖域なき構造改革の断行”を理解してもらうことに他ならない。つまり、未来の繁栄のための“礎”になるという「覚悟の共有」なのだ。
 この対話を成功させる決め手の一つは、国が「情報の開示(ディスクロージャー)」を徹底できるかどうかだと考える。情報操作をせずに、構造改革の本質がどこにあるのか徹底して語り、多くの国民に理解してもらうことである。
 もう一つは、国民が「何をしてもらえるかではなく、何をすることができるのか」を考えることができるかどうかである。“タウンミーティング”を陳情の場にしてはならない。
 もっと大切なことは、“あるべき日本の未来の姿”を描き、その実現のためにそれぞれが何を為すべきなのか、何を為すことができるのかを考えること。つまり、“貢献”に焦点をおいて対話することではないか。
 「人間関係に優れた才能があるからといって、良い人間関係がもてるわけではない。自らの仕事や人の関係において、“貢献に焦点を合わせること”により、初めて良い人間関係をもてるのである。こうして人間関係は“生産的”になる。まさに生産的であることが、唯一良好な人間関係の定義である」(P・F・ドラッカー)
 “貢献に焦点を合わせて考える”と、様々な解決の糸口が見えてくる。そして、企業における経営の今日的課題の多くについて、同様なことが言えるのではないだろうか。