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考える言葉

 

言語概念化

 
2001年08月17日(金)

 「経営人間学講座」(主催:竹内日祥上人)との出逢いがきっかけで、"考える言葉"シリーズと題して、週一回のペースで随筆を書き始めて5年近くになる。
 書こうと思い立った動機は、次の二点にあったように記憶している。

  ① 学んだ高い思想をスタッフに何とか伝えたいと思ったこと、
  ② 自分の価値観を高めたいと思ったこと。
 
 「継続は力!」とはよく言ったもので、読み返してみると数年前とは雲泥の差であることが自分でも分かる。
 
 先ず、自分でも驚くほど言語概念化能力が高まったのではないかと思う。頭の中で考えていることを、分かり易く概念化し、言葉で表現することは思っている以上に難しいものである。
本の読み方も変わってきたし、何よりもよく辞書を愛用するようになった。言葉を大切にするようになったのだろう。
 それから、思考力が身に付いたこと。"考えること"も訓練すると何とかなるものだ。様々なことに問題意識が高まってくるのだろう。"書くテーマ"に事欠かなくなるし、チャレンジ精神が旺盛になる。
 
軽い気持ちで始めた"考える言葉"シリーズであるが、私にとって思いがけない成果をもたらしてくれたと思う。
 
しかもメールの普及は、多くの人に対する情報の発信を容易にしてくれた。逆も言えることで、情報受信の機会を大いに高めてくれた。
 要するに、瞬時の"対話"が容易になり、多くの人の「考え方、意見」を頂けることになる。多くの人との対話は、確実に自分の思考力を高める結果になっていることに改めて気付かされる。
 
 メールに限らなくてもよい。酒の肴に人生を語り合うことも良かろう。お互いに自分の考えていることをオープンに語り合ってみることは、予想以上に思考力の向上に役立つものである。

 言語概念化が乏しい故に、自分の考えの半分も相手に伝え切れないこともある。相手の主張に反論できないもどかしさに地団太踏むこともある。

 しかし、"対話"は思考の言語概念化を大いに高めてくれるに違いない。
21世紀は高度に情報化された"知識社会"が到来するであろうと予見されている。情報は素材にすぎない。自分の頭で考えてこそ、価値を生み出す。"対話"は、私たちに思考を共有する機会を与えてくれる。

 そして"良い対話"をするためにも、言語概念化能力を養う必要がある。