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考える言葉

 

段取り

 
2001年10月08日(月)

 「段取り七分」という言葉があるが、仕事ができる人は、"段取り"が実に上手いことに気付かされる。
 
 仕事に取りかかる段階で、すでに完了までのイメージが頭の中に描かれているのである。当然ながら、いつも落ち着いていて、忙しさを楽しんでいる。
 
 "段取り"という言葉を広辞苑で引いてみると、「①心構えをすること②事の順序・方法を定めること」とある。
 
 つまり、"段取り"とは覚悟を決めることであり、孫子流にいうと、「勝つための条件が整わない限り、決して戦わない」ということであろう。
 
 "段取り"とはまさに、良い仕事をするために必要な計画を立てることであり、仕事がし易い条件を整えることである。
 
 "段取り"(計画)の良さが、仕事の成果を決めるのであるが、"段取り"には次の3つの段階が必要であると考える。(経営人間学講座)

(1) 先ず、目的を特定すること
   意外と忘れるのが、「何のために」という目的を問うこと。目的を特定すること(お客様は何を期待しているのか)を特定しなければ、大きな成果は期待できない。

(2) 次に、明確な目標設定をすること
   目的実現のために乗り越えるべき課題を浮き彫りにして、為すべきテーマと達成期限を明確に設定することが肝要である。

(3) 最後に、目的・目標達成のための手順(手段や方法)を具体化すること
   目標達成のためのあらゆる手段や方法を考え尽くし、最適手段の選択決定を行い、優先順位をつけて実行に移せるように根回しをする。
 
  以上、"段取り"を上手くやるためには、「目的と目標と手順」を徹底して考え尽くすことである。要するに、"段取り"の段階で戦いは終えているといえよう。
 
 知的サービスにかかわる人は、間接業務が多く、特に目的の特定と根回し(人間関係)を怠ってしまうと、なんの成果も得られないことが多い。
 
 それから、"段取り"とは「心構えをすること」とあるように、その人の心構え次第であるといえる。
 
 例えば、仕事を完了させるのに残業を予定に入れて"段取り"している人は、いつまで経っても残業体質を解消できないように・・・・・。
 
 "段取り"(計画)とは、「最小コストの最大効果(成果)」という考えを実践するための"知のモデル"であり、まさに経営そのものではないだろうか。