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考える言葉

 

シナジー

 
2002年01月07日(月)

 私たちの組織は、新年度の基本方針を「システム思考の徹底~個人プレーから組織プレーへ」と定めた。

 この基本方針の最大の狙いを一言でいうと、"シナジー"に尽きる。
 "シナジー"とは、相乗効果をいう。

「それぞれが独自に機能することができるある部分とある部分を結合したとき、そこに生ずる協働的成果が各部分の成果の単なる総和よりも大きくなれば、そこにあらたに生じたプラスαの結合効果を、シナジーまたはシナジー効果という」(経済事典)。

 人間は元来、自然界の中で集団生活を営むことを習性として、進化向上してきたといえる。自然の生成の本質は、"シナジー"ではないか。そして、その"シナジー"を最もうまく享受してきたのが人間社会ではないかと考える。

 P・ドラッカーは、「21世紀は、高度に情報化された知識社会が実現し、それは必然的に"組織社会"にならざるを得ない」と語っている。

 このことは、私たち一人ひとりがもっと"シナジー"について真剣に考える必要性を示唆しているといえよう。

 どうすれば組織にシナジーが生ずるのであろうか。これに関しては、「経営人間学講座」が様々なキー・ワードを与えてくれる。

(1) 価値ある目的を共有できていること(目的の共有)
(2) お互いが献身的で在りうること(相手本位)
(3) 人間の持つ無限の可能性を信じ合えること(革新性)
(4) チームワークの必要性を分かり合うこと(協働・衆知)
(5) オープン・マインドであること(出逢い・素直さ)

他にもいろいろな視点が考えられるが、この程度にしておきたい。
 「システム思考」とは、有機体論的思考であり、"組織"とそこで働く"個人"とが必然的関係性で存在していることを強く認識することから、すべてが始まると考えてもらいたい。

 A・マズローは"シナジー"を、「個人にとっての利益が同時にすべての人間にとっても利益となるような文化である」と定義している。

 思い起こしてみると、私たちは幼い頃から遊びや共同生活の中で、多くのシナジー体験を授かってきたではないか。

 今年は、"シナジー"の度合いが高い組織風土を創っていけるように、お互いが切磋琢磨し合えるような年にしたいと思う。