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考える言葉

 

人間関係

 
2002年11月18日(月)

私たち組織人にとって、“人間関係論”は永遠のテーマといっても良いだろう。
職場における人間関係のトラブルは、日常的に起きている。もちろん、「人間関係をおろそかにすると、いい仕事ができない」という意見には、だれもが賛成すると思うが、これにどう対処するかはなかなか難しいようだ。
問題解決の糸口がないわけではない。何故ならば、人間関係のトラブルは、必ず相手が存在しているわけだから、悩みは共有されているはずである。つまり、一人で悩み、煩っているのではない。それに、仕事に限ったことではないが、過去を振り返ってみると、すばらしい仲間と共に一人では到底できそうもない成果をあげ、喜びを分かち合った経験を、私たちは少なからず持ち合わせているのである。
自分だけが厭な思いをしていると考えるから、相手を許せなくなる。しかし、本当にそうだろうか。決して、そうではないだろう。それにそんな状態からは、何ら生産的なものは生まれないことに、自らの経験から気付くはずである。
しかし、人間関係は理屈では解決できない部分がある。性格の不一致や感情のもつれなどが、それである。しかしながら、これらの問題も「何のために仕事をしているのか?」という仕事の目的を共有するという観点からみると、些細なことである。
“人間関係”における問題の本質は、むしろ、二人が“相互依存関係”にあることを認識し得てないところにある。つまり、お互いが不完全であるがゆえにチームを組んでいることを忘れてしまっているのである。
私たち組織人は、“一人では存在しえない関係”にある。この認識を持ち得ていないと、自らの貢献のチャンスを失ってしまう。
そこで大切なことは、独り善がりの思い込みや期待を捨て、お互いが共有している仕事の目的をつねに確認し合い、真に理解し合えるようにコミュニケーションを怠らないことであろう。
十分に時間を取って、お互いが納得できるまでしっかりと“対話”をすることである。対話で先ず大切なことは、相手の立場にたって相手の話を素直に聞けるかどうかである。そうすると、相手の考えや行動の根底にある価値観が見えてくる。この価値観のすり合わせこそが人間関係(信頼)の一歩となる。
人は、お互いに相手の価値観を理解し得たときに、相手を受け入れようとするからである。そして、それがお互いの価値観を高め合うことにもなろう。
良好な人間関係を構築することは、決して容易ではない。しかし、避けては通れない永遠のテーマである。