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考える言葉

 

少子高齢化

 
2022年02月21日(月)

 人口構造は人間社会の根幹となるものである。21世紀は、その人口構造が急激に変化している時代だといえよう。
 今や「VUCA時代」と言われるように、社会経済環境が極めて予測困難な状況にある時代である。
 ピーター・F・ドラッカーは、ずいぶん前に、この件に関して次のように指摘している。
 「未来を予測しても無駄である」といい、「重要なことは、すでに起こった未来を確認することである。すでに起こり、もとに戻ることのない変化、しかも重大な影響を持つことになる変化でありながら、いまだに認識されていないものを知覚し、かつ分析することである」と・・・。
 そして、「すでに起こった未来」として、人口構造の変化すなわち“少子高齢化”の問題を指摘している。
 今や日本は、“少子高齢化”問題の真っ只中にいるといえよう。2030年の日本では、成人の半分を65歳以上の人が占めるようになるという。そこで、話題となるのは、労働力の維持、市場の縮小そして年金制度などの維持がある。
 しかし、これらの問題が“少子高齢化”という人口構造の変化によって引き起こされている以上、人間社会の根幹に関わる問題である。すなわち、小手先のテクニックで解決できるものではない。
 わが国の政治の質そのものが問われるのではないだろうか・・・。
 つまり、政権を維持するためには、高齢者層という大票田を無視できないことを意味する。そこで、ご機嫌取りの政治をしてしまう。そうなると、国家100年の大計よりも、目の前の医療・福祉が優先されてしまうという可能性が大きい。
 資源の乏しいわが国で、国際的な競争力が低下しつつある現実からすると、極めて厳しい状況をつくり出すことになるのではないだろうか。
 “少子高齢化”の対策の一つとして移民問題があるが、異文化を受け入れる覚悟が今一つできていないような気がする。
 小生は、高齢化の問題に対しては現役で働いている時に、企業が第二の人生を考える機会と仕組みを提供すべきではないかと考える。そうすることによって、定年退職を迎えるまで定年後の不安を感じることなく、仕事に専念できるのではないだろうか。
 今や知識労働者の時代である。多くの人が定年過ぎても働きたがっている。彼らにとって、仕事は自己実現の手段であり、生涯現役でありたいと願っている。
 小生の「農業城下町構想」は、その意味で第二の人生の受け皿になると思う。
 
                   ”考える言葉”シリーズ(22‐07)