今、企業に問われていることがある。それは、企業のトップや幹部が“独自の経営戦略”を持ち得ているかどうかである。勿論、「戦略なくして戦術なし」あるいは「戦略の失敗は戦術で補うことは決してできない」と昔から言われているように、“戦略”の重要性は今に始まった訳ではない。にもかかわらず、殊更に“戦略性”が強調されるのはそれなりの意味があるのではなかろうか。
それは経営環境が大きく変わったことが挙げられよう。バブル崩壊、経済のグローバル化、規制緩和、金融ビッグバン、銀行・土地神話の崩壊、成長神話(右肩上がり経済)の崩壊、日本式経営の行き詰まり、少子老齢化、環境破壊、パラダイムの転換、モノ余りの時代、インターネットを始めとする情報通信環境の激変、思い付いたまま掲げても一つ一つが大変重い変化課題ばかりである。
これらマクロ的な変化要素が絡み合い、個々の企業においてはより具体的な変化として、いろいろな経営課題を引き起こしている。今、眼前にある現実は5年前あるいは10年前のそれとはどこが違うのか。もうすでにはっきりとしているはずである。書き出してみよう…・・。過去の延長線上で物を考え、今までのやり方に固執して、自分を変えようとしないなら、恐らくその問題の解決に失敗するであろう。
変化に適応するには自分が変わるしか方法はないのである。自分を変化の中心に置けるかどうかである。そのためには時代のトレンド(潮流)を洞察する力が必要である。つまり、戦略思考が大切になる。物事を長い目で、多面的にそして根本的に捉えて考える戦略的思考が極めて重要視されるのである。改めていうまでもなく、今が変化の時なのである。
(戦略的思考・行動のポイント)
1)合目的であること(何のために)
2)変化を恐れないこと
3)リスクを恐れないこと
4)自分の実力を正しく知ること
5)前向きな数値を持ってチャレンジすること