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考える言葉

 

数字力

 
2022年07月25日(月)

 『IG後継者育成塾(第7期第4講)』(R4.7.22~23 in福岡)を終えたばかりである。今回のテーマは「決算書の見方・活かし方」で、“数字力”を磨くことの大切さを、二日間じっくりと学んで頂いた。
 日本資本主義の父・渋沢栄一氏は、『論語と算盤』の中で、「実業(算盤)と道徳(論語)が一致しなければ、富は永続できない」と述べている。また、京セラの稲盛和夫氏も、「会計が分からんで、正しい経営ができるのか」と示唆している。つまり、“数字力”は優れた経営者の一条件であるといっても過言ではないだろう。
 今、“数字力”は健全経営を行うためには不可欠な条件であると述べたが、“数字力”
に強い経営者には次のような3つの特徴がある。
 ① 現状を正しく把握する力がある。(現状把握力)
 ② 問題を具体化する力がある。(問題提案力)
 ③ 目標(課題)を明確にする力がある。(目標達成力)
 経営者をはじめすべての利害関係者が最も知りたい財務的情報には、大きく二つあると思う。 一つは「儲かっているのかどうか」であり、もう一つは「潰れる心配がないのかどうか」であろう。
 当然ながら、企業の決算書は二つの関心事に応えられるような仕組みになっている。
損益計算書(PL)を見れば、「儲かっているかどうか」が一目瞭然で把握できるようになっているし、「潰れる心配がないかどうか」は貸借対照表(BS)を見て分析すれば分かるようになっている。
 さらに、キャッシュフロー計算書(CF)を見れば、一定期間における資金の流れも把握できるようになっている。
 数字(会計)のプロであれば、その会社の決算書(できれば5期比較)を見せてもらえば、概ね、そこの会社の実態を把握できるし、どんな問題があるのか具体化できるし、問題解決のための具体的な目標(課題)を掲げることができる。
 では、“数字力”を養うための早道は何か?
 目標管理(「仮説」~「実践」~「検証」のサイクル)を徹底してやり続けることではないだろうか。
 「仮説」とは、将来の決算書がイメージできるまで考え抜くこと。「実践」とは、その決算書の数字を達成するための戦い。「検証」とは、結果としての決算書を読み解くことである。 
 不透明な時代である。経営者にとって、“数字力”は欠くことのできない要件である。
 
                   ”考える言葉”シリーズ(22‐29)