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考える言葉

 

ピグマリオン効果

 
2022年10月03日(月)

 
 “ピグマリオン効果”っていう言葉をご存じだろうか?
これは、教育心理学の用語で、「他者から期待されると成績が向上する現象」をいう。アメリカの教育心理学者ロバート・ローゼンタールが提唱したことから「ローゼンタール効果」とも呼ばれている。
 つまり、“ピグマリオン効果”とは、相手が秘めている能力を信じると、相手の潜在能力を目覚めさせることができるという意味である。
 もし私たちがその家族や友人、部下などに対して、もっと大きな成果を上げることができると信じていることを伝えれば、その人は本当に大きな成果をあげる。その逆も真実だといえる。
 確かに人材教育やマネジメントにおいてもそうだが、昔から「叱るより、褒めて育て
よ」という言葉があるように、相手に対して期待する言葉を投げかけたほうが、モチベーションが上がり、大きな成果を期待できる。
 逆に、期待されないことでモチベーションが下がり、成績が低下する傾向も見られる。これを「ゴーレム効果」というそうだ。
 IG会計グループは、ここ数年、次世代への持続的成長の基盤づくりとしてチームワークという課題に取り組んできている。「個人の限界を組織の限界にしない」という価値観をみんなで共有し、ややもすれば、個人プレーに走りがちな専門家集団の体質を変えようと努力してきた。
 そして、チームワークの質を高めるために、具体的な目標設定と役割分担の明確化などの課題に取り組んできたが、それだけでは、協働行為の体系としての相互信頼関係の深まりが、まだまだ弱いような気がしている・・・。
 なぜ、そう感じるのか?
 その要因の一つとして、“ピグマリオン効果”の脆弱性があるのではないだろうか。
 そこで、部門あるいはメンバー同士がお互いにそれぞれの強みを活かし合うような
目標管理のあり方を創意工夫している。
 目標設定する時に、次のような視点を取り入れている。
 ① 自部門が果たすべき貢献目標とは何か?
 ② 他部門の目標達成に貢献するための目標とは何か?
 ③ 自らの目標達成のために他部門から得られる貢献の目標とは何か?
 まさに、“ピグマリオン効果”をしっかりと意識した目標設定である。そのためには、「この人の長所は何か?」という問いかける習慣を身につける努力が必要である。

                   ”考える言葉”シリーズ(22‐38)