2022年12月12日(月)
経営計画をつくるお手伝いを長年やっていると、時間をかけて、どんなに立派なものをつくりあげたとしても「行動しなければ、すべては“絵に描いた餅”」になるという切実な問題に直面することが多々ある。
意思決定されてはじめて、具体的成果をあげるべく、決定を行動に移すことができるようになる。しかし決定に当たっては、最初の段階から、どう行動に取り組んでいくかを考えておかなければならない。
意思決定されても、具体的な行動手順が示されていなければ、決定されていないのと同じだ。つまり、俗にいう、“画餅”と化すのである。
では、せっかく時間をかけてつくりあげた経営計画が画餅と化さないためにはどうしたらいいのだろうか?
① どれだけの人がこの決定を知るべきか?(周知徹底)
② 決定した施策を現実にするには、どんな行動が必要か?(行動手順)
③ 実際に誰が行動すべきか?(役割分担と責任)
④ その行動はどんなものでなければならないか(成果と強み)
以上のこと明確にしておかなければならない。
そうでなければいかに壮大な計画を立てても、何の意味もなさなくなる。
そのためには、「フィードバックの仕組み」をつくることも重要だ。つまり、「仮説~実践~検証」の循環モデルである。
IG会計グループでは、創業の当初から、「IG式目標管理システム」という名のもとに
経営計画を全員でつくり、それをベースに部門・個人別に単年度の行動計画書を作成し、月末月初の全体会議(2日間)では、それなりの時間をかけて「予実管理」を徹底して行っている。
各部門や個人で行った「予実管理」の内容については、全員の前で発表する時間を取っているので、みんなの成功や失敗の事例を聴くことができるし、みんなの意見も頂戴することができる。まさに、衆知を集める場でもある。
このように、先見経営・先行管理のための仕組みをつくり、それを組織全体で取り組み、やり続けていると習慣化し、組織の文化として培われていくようになる。
そこまでいくと、経営計画が“画餅”と化することはない。何でもそうだが、組織風土として根づくまでは、根気強くやり続けることが一番である。
コロナ後の見通しを立てたいのだろう。『将軍の日』に参加する企業が増えてきている。“画餅”で終わらせないためにも、しっかりとした成長戦略を描きたいと思う。
”考える言葉”シリーズ(22‐48)