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考える言葉

 

フォーカス

 
2022年12月19日(月)

 もう25~26年前だろう・・・。“フォーカス”(焦点)という言葉がさかんに言われた時期がある。
 あと数年で時代が21世紀に変わろうとしていた頃で、新世紀は複雑性あるいは多様性の時代環境になるだろうと予見され、それゆえに“フォーカス”することの重要性が叫ばれていたのだと思う。
 20数年経った今、思いもよらない新型コロナウィルスの世界的流行となり、3年経つ中、業績低迷に陥っている企業が相当あり、いよいよこれから正念場を迎えるだろうと懸念されている・・・。
 コロナ対策のための助成金や補助金などで、何とか資金は廻っているものの業績が激減している企業もけっこうあるという。コロナが収まれば、原状回復できるのだろうかという心配も出てきている。
 そんな中、経営計画の見直しをしたいという企業、経営者が増えつつある。こういうご時世だから、あれもこれもと気になることばかりではあるが、こんなことだからこそ、“フォーカス”が成否の要を握っているような気がする。
 では、効果的に“フォーカス”するためには、どうしたらいいのだろうか?
 あの当時に読んだ『フォーカス』(アル・リース著)という本に、その原則について述べてあったので、一部を紹介したい。
 ① フォーカスは、シンプルであるべきだ。(わかりやすいこと)
 ② フォーカスは、客にとって印象深くなければならない。(心に訴えること)
 ③ フォーカスは、パワフルでなければならない。(繰り返しすること)
 ④ フォーカスは、革命的でなければならない。(抵抗を覚悟すること)
 ⑤ フォーカスには、有力な敵が必要である。(特定のライバル)
 ⑥ フォーカスには、未来が必要である。(未来の実現)
 ⑦ フォーカスは、永遠に続くものではない。(いずれ時代遅れになるもの)
 ⑧ フォーカスは、戦略であってはならない。(絞り込み)
 ⑨ フォーカスは、即効性があるものではない。(短期的には不利になるケースもある)
 ⑩ フォーカスは、八方美人であってはならない。(絞り込み)
“フォーカス”とは、言葉を変えていうと、「選択と集中」であると考える。コロナ後の対策においても、色々な課題が浮き彫りにされてくると思うが、それらの優先順位をしっかりと見極めて、一つひとつ“フォーカス”して取り組んでいくしかないだろう。

                   ”考える言葉”シリーズ(22‐49)