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考える言葉

 

先延ばし

 
2023年07月10日(月)

 コロナ禍で、私たち人間が持っている“ある好ましくない傾向”に拍車がかかっているという。その傾向とは、“先延ばし”だ。
 確かに、「コロナだから、仕方ないよね・・・」という一言を口にしたり、耳にしたりする機会が増えている。気にしつつも、諦め半分で納得している自分がいる。
 さて、“先延ばし”とは「やるべきことを先送りすることによって長期的には悪い結果になることが見込まれるという事実にもかかわらず、目的とする行動を自発的に遅らせること」をいう。
 ここで注意すべきことは、「コロナだから・・・」には関係なく、人間誰もが多かれ少なかれ“先延ばし”する癖を持っているという事実への自覚である。そして、その自覚の差が経営上の成否を決める大きな要因になっている、といっても過言ではない。
 そこで考えてもらいたい・・・。「“先延ばし”によって優先していることは何だろうか?」ということである。やるべきことをせず、その間に何もしないでいる人はいないだろう。必ず何かをしているはずである。
 例えば、スマホゲームをやっていたとか、ネットのニュースを見ていたとか、メールチェックをしていたとか。恐らく、その他雑務を優先して時間が経ってしまった結果、やるべきことを“先延ばし”してしまったのだろう。
 自分の経験からもそうだが、“先延ばし”の結果残るのは後悔の念だけである。「あの時、ちゃんとしておけば良かった・・・」と。なぜかというと、“先延ばし”には、正当な理由などないからだ。その時々の感情に流されているだけである。
 学生の頃だったが、部活で集まってきた連中がやるべき作業をせずに、ダラダラと談笑していると、「おい、どうせやるべきことなのだから、さっさと済ませてしまおうぜ!」
と、檄を飛ばす先輩がいた。この先輩は何事も、「やるべきことは、さっさと済ませる」という信念があったようだ。
 確かに、“先延ばし”して残るのは後悔だけだ。そして、そういう人に限って「時間がない」と嘆いている。
 行動すると決めたら、心機一転仕切り直しをしよう。次の手順を踏んで、今度こそ確実に行動しようと
 ① 目的と目標を確認する
 ② 全体のプロセスを見渡して、やるべき手順を決める
 ③ さっさと出来ることからやってしまう
 そうすれば、“先延ばし”は終了。必ず、行動のサイクルが回り始めるようになる。



                   ”考える言葉”シリーズ(23‐25)